未来のために、今私ができること
1年後、3年後、5年後、10年後の未来。
あなたは何をしていますか?
どこで、誰と暮らしていますか?
あなたのなりたいは「今」「ここ」からはじまる。
これは、私が実施している企画インタビュー、「未来インタビュー」のHPに掲載しているキャッチコピーである。
未来インタビューとは、理想を叶えた数年後の自分になりきって受けるインタビューのこと。そして、そのインタビューをライターである私が記事にして、お客様に提供するのが、このサービスの特徴だ。
そもそも、未来インタビューは、脳内で未来の私が語り出した言葉を、記事として綴ったことがはじまりだった。
「自分の未来のために出来ること」の第一歩として、3年後の自分自身を書いた「未来インタビュー」の記事。
この一本の記事から、私の未来は始まった。
◇
2021年5月。
会社を辞めて、1ヶ月が経とうとしていた。
当時の私は、「やりたいことがあるんです」と、勇んで会社を辞めたものの、結局、何一つ動き出せずにいた。
「誰もがほっとできる憩いの場所となるカフェを開きたい」という、漠然とした思いはあったが、それだけだった。
どんなカフェにしたい?
場所はどこにする?
資金はどのくらい必要?
そのためには今、何をする必要がある?
私の「第1ぐるぐる期」の始まりである。
第1ぐるぐる期ーとにかく、片っ端からやってみるー
起業セミナーに行く。
事業計画を立てる。
未来食堂の「まかない」さんをやってみる。
気になるお店、カフェを片っ端から訪れ、お店の人と話す。
将来、カフェを開きたい場所の不動産情報を調べる。
実際にカフェを開きたいと思う場所に足を運ぶ。
新事業を立ち上げるNPOのスタッフをやってみる。
などなど、思いついたこと、今できることに、片っ端から取り組んだ。
しかし、私の中で、一向にエンジンがかからなかった。
今思えば「カフェをやりたい」という漠然とした思いだけが空回りして、「どんなカフェをやりたいのか」「なぜカフェをやりたいのか」という軸が、定まっていなかった。
減っていく貯金。
いたずらに過ぎてゆく時間。
カフェ開業のために動き出そうと思っていた時期になっても、具体的な行動をとれずにいた。
一方で、NPOスタッフの仕事が忙しくなり、毎日エクセルを開き、お金の計算をして、毎週のミーティング議事録や、パワーポイントで資料を作成する日々が続いた。
あれ。
なんかこれ、おかしくない?
会社員時代と、何も変わってないですやん・・・。
会社を辞めて4ヶ月が経った頃、ふとそう気づいた。
このままではあかん。
なんのために会社を辞めたのか、わからない。
NPOのために割いていた時間を、自分のカフェを立ち上げるための時間にシフトする必要があった。
NPOの活動には意義を感じていたし、スタッフの仕事にもやりがいを感じていた。
しかし、その活動に心血を注ぐことで、本当に向き合うべきことから逃げている自分に、気がついてしまったのだ。
年度途中ではあったが、最低限の経理処理だけは引き受ける形で、運営スタッフを降りた。
ありがたいことに、運営スタッフのみんなは、快く私の申し出を受け入れてくれた。
とは言え、何から始めよう。
ここから、私の第2ぐるぐる期が始まる。
「私は書くのが好き」を思い出す
話は少し遡る。会社を辞める少し前から、ブログを書き始めた。
本を読むこと、文章を書くことは昔から好きで、中学時代は仲の良い友人とノートを回し、2人で一つの小説を書くことに熱中した。日記も断続的ではあるが、つけていた。
国語の成績だけは、昔からよかった。「この時の登場人物の気持ちを書きなさい」という問題などは得意中の得意で、いくらでも文字を書き連ねることができた。
大学時代は、兄からもらったワープロで小説を書いた。自分の想いを文章でアウトプットすることは、いつしか私にとって自然な行為となっていた。
息子が誕生し、彼が0歳から6歳までの間、育児ブログを書いた。その時に初めて、「ちえぞうさん(当時のハンドルネーム)の文章、面白いね!」と評価してもらう体験をした。なかなか外に出られず、幼い乳飲児と向き合う孤独な育児生活の中で、この評価は私にとって生きがいとなった。久しぶりに自分が社会の一員として、ここにいてもいいのだ、という存在意義を見出した気がした。
育児ブログをやめた後は、非公開のブログに自分の想いを吐き出していた。
誰にも言えない自分の本音、弱音、ドロドロとした想いを、赤裸々に綴った。
今思えば、誰にも見せないプライベートな日記であれば、自分のパソコン上に残せば良いではないか、とも思う。そうしなかったのは、心のどこかに、誰かに読んで欲しい、という欲求があったからなのだろう。
心の片隅には、いつかまたブログを書きたい、自分の想いを誰かに発信したい、と言う気持ちが常にあった。
その想いは、会社を辞めようかどうしようか、悩んでいた時に溢れ出した。久しぶりにブログを書いてみようと、アメーバブログを開き、自分の中で悶々とくすぶっていた心の内を言葉にする。すると、私の中で忘れていた想いが蘇った。
そうだ。
私、文章を書くのが好きだった。
自分の内面を文章でアウトプットすることの楽しさを、久しぶりに感じていた。
第2ぐるぐる期ー全ては一つの記事から始まったー
さて、話は戻って。
NPOのスタッフを辞めた私は、いよいよ本格的に、カフェ開業に向けて動き出そうとしていた。
とはいえ、ここでもまだ、ぐるぐると答えの出ない思考を巡らせていた。将来の夢や目標をノートに書いたり、文章で言葉に綴っても、現実は何も変わらなかった。
そんな時に、ふと、頭の中で、こんな声が聞こえた。
もしも、お金も、時間も、能力も、自分が足りないもの全てを持っていたとしたら、私は何をしたいのだろうか。
そして、それを実現した未来の自分は、どんな気持ちで、何を話すのだろうか。
この発想の大元には、私の大好きな作家の一人である、ひすいこたろうさんの影響が少なからずある。「物の見方一つで、自分の世界は変えられる」というメッセージが込められた彼の本が大好きで、よく読んでいた。彼の著書の中で「予祝」を扱った本も、購入して読んだ。実際に「予祝インタビュー」という名前のコンテンツが存在しており、私がこの時やったのは、まさにこのインタビューだった。
ただ妄想するだけではもったいない。その想いを、自分の言葉で書いてみよう。せっかくなのでビジュアルにも徹底的にこだわって、雑誌の記事のようなレイアウトにしたら、テンションも上がるに違いない。
自分の未来を妄想全開で思い描き、それを記事にする、というアイディアに、自分でもワクワクが止まらなかった。すぐに文章を書き始めた。
理想通りのカフェを開いた3年後の自分が、雑誌の記者からインタビューを受け、自分の想いを話す、という場面を想像した。
そして、その記事がおしゃれな雑誌に、写真と一緒に掲載されている様子をイメージした。
そうすると、不思議なことが起きた。
未来の私が、脳内でスラスラと自分の想いを語りはじめたのだ。息子の不登校のこと、カフェに対するアイディアや想い、未来インタビューを立ち上げたこと、エッセイを出版したこと。
そこには、あたかも本当に体験したかのように、未来の出来事をワクワクしながら饒舌に語る自分がいた。
それまで、実体が見えていなかった自分のカフェや、やりたいことに対する全容が、記事に書いていくことでみるみる形になっていった。
どんどんと気持ちが乗ってきて、初稿はおそらく、数時間で書き上げたのではないかと思う。
自分でレイアウトを考え、縦書きの雑誌風の記事に仕上げた。
何度も読み返し、推敲を重ねる中で、さらに不思議なことが起きた。
これ、出来そうじゃない?
エンタメ的に、ワクワクしながら書いていた記事を何度も何度も読み返すうちに、そんな気持ちが自然と湧いてきたのだ。
記事の中で自分が語る言葉が、とても自然で、今の自分との乖離がなくなっていった。最初は「あり得ない」と感じていた違和感が、いつのまにか薄れ、インタビューを受けている自分の姿が、自然と目に浮かんだ。
これが、未来インタビューのはじまりである。
そして、この記事を書いたことにより、「叶えたい夢」が、「実現可能な未来」へと変わっていった。
未来のためにできること
自分の未来インタビューを書いてから、おおよそ1年が経った。
私は今、17名のモニターさんとのインタビューを経て、自分のやりたいことの第一歩を実現しようと動き出している。
「パーソナルライター」という肩書きで、「未来インタビュー」を自分の商品として売り出す。
それは同時に新たな自分への挑戦でもあり、「第3ぐるぐる期」への突入を意味する。
今も試行錯誤しながらの日々で、全てが順風満帆というわけではない。
しかし、一つ確かなのは、あのインタビューがなければ、今の私は、ここにはいない、ということだ。
あの時、自分の妄想を解き放ち、未来の自分を体験した数時間は、確実に、今の私を突き動かす原動力となっている。
今でも、自分の未来インタビューを時々読み返す。
その度に、「ああ、そうだった、うんうん!」と、あの時感じた感覚を思い起こし、初心に返る。
馬鹿げていると思われても構わない。
本当にその通りになるかは、誰にもわからない。
それでも私は知っている。
あの時、穏やかな笑顔で、自分の想いを堂々と語った「私」が、確かに存在していたことを。
冒頭で記した未来インタビューのキャッチフレーズには、続きがある。
なりたい自分は、あなたの中に。
未来の自分のために今、何をするのか。どんな行動をとるのか。それは人それぞれだ。私の未来インタビューが、全ての人にマッチするとは思わないし、それが未来インタビューでなくても、全然構わない。
でも、これだけは伝えたい。
あなたの未来を築くのは、自分自身なのだ。
迷った時には、専門家を頼るのもいいだろう。
自信のない時には、誰かに背中を押してもらうのも、有効かもしれない。
しかし、最終的に向き合って答えを出すのは、自分でしかない。
本当に自分が望むことと向き合い、少しずつでもそれをアウトプットしていくことが、未来を作る既成事実を、一つずつ作っていくことへと繋がる。
そして、そのために私のインタビューが有効だと思ってくださる方がいるのであれば、私は喜んでその方の元へ駆けつける。
あなたが自分と向き合う中で発する大切な言葉を、最大限の魅力が伝わるように、想いを込めて文章にする。
それが、私があなたの未来のためにできる、たった一つのことだから。
▼パーソナルライター おくやま・ふみの未来インタビューはこちら(PDFの記事が参照できます)
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