旅するように仕事をする
毎日の生活の中で、まるで自分へのメッセージのようにクローズアップされてくる言葉がある。
最近、私がよく耳にするのがこの言葉。
「旅するように仕事をする」
何人かのお客様とのインタビューの中でも、出てきたキーワード。
そして私が理想とする働き方でもある。
全国各地、インタビューしたい方の元をフットワーク軽く訪れ、じっくりと話を聞く。
その土地に住む、あるいは旅行などで訪れる、様々な世代の人々と一期一会の出会いを楽しみながら、美味しいものを食べ、美しい景色を見る。
その土地の歴史に触れ、文化に触れ、日常では得られない何かを感じ、自分の糧とする。
好きな時に、好きな場所へ飛んでいく。
Wi-Fiとパソコンがあれば、どこでもオフィスになる。
そんな働き方が私の理想。
そして、そういうスタイルを理想としている、実践している人たちに、しばしば出会う。
そもそも、私がこの働き方を意識したのは、作家であり質問家のマツダミヒロさんとWAKANAさんご夫婦の存在を知ったからだ。
「ライフトラベラー」と名乗り、世界各国を飛び回りながら、ビジネスもプライベートも充実しているこのご夫婦の生き方を知り、
ああ、こんな生活って本当にあるんだ・・・
そう感じたのが始まりだった。
サラリーマンだった当時は、彼らのステキな生活に憧れながらも、心のどこかで「こんな生活あり得ないよね・・・」と思っていた。
それが今は、「全然あり得るな」と思い始めている自分がいるから不思議だ。
事実、月1-2 回はインタビューや旅行で家を空けることが多くなってきた。
最近はホテルではなくゲストハウスに泊まり、普段は出会えない世代の人たちと空間を共有し、何気ない雑談をするのも楽しい。
特に何か関係性を作ろう、と意識しているわけでもないので、その場その場の出会いを楽しむライトな関わり方が、心地よい。
夜はゲストハウスの共用スペースで、一人黙々と仕事をする。
ねこたちをモフモフできないのはちょっぴりさみしいが、家事に煩わされることもなく、家にいる時よりも意外と「書く」ことには集中できる環境。
留守を守ってくれる息子も慣れたもので、「いってらっしゃい」と毎回笑顔で送り出してくれる。
こんな風に、ライター活動が本格化するにつれて、いつのまにか「旅するように仕事をする」というライフスタイルが始まっていたのだ。
それに気づいたのは、周りの人から「ふみさんって、本当に色々なところに行ってますね」と、近頃言われるようになったことがきっかけだった。
いつのまにか。
気がついたら。
理想とする未来は、意外とそんな風に、軽やかにやってくるのかもしれない。
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