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木曜日の変化球

人生は不思議な構造をしている。

待っているのは、いつだってドストライクの、豪速球。
その球を打ち返すために、日々、鍛錬をしてきたんだもの。
しかしなぜか、やってくるのは、ボールに見えてしまう、判定スレスレの変化球ばかり。

明らかにボールだろうと、見逃したそのほとんどが、ギリギリのところでストライクゾーンに入ってくる。

うむむ。
これはどういうことだろうか。
球種を絞り過ぎていることが、仇となっているのか?

目的は、豪速球を打ち返すことではないはずなのだ。
しかし、なじぇか、頭の中はいつしか「夢は一発、どでかいホームラン!」を目指すことで、一杯になっていたりする。

私の役割は、チームに点をもたらすために、次の打者へと繋げることだ。それはよくわかっている。
・・・とはいえ、つなぐためだけに、フォアボールを選ぶ人生なんてつまらない。

さて、私はどこへ向かっているのだろうか。

WBCで盛り上がる世間を横目で見ながら、ふと、そんなことを思う木曜日。

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パーソナルライターおくやま・ふみ
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