心がざわつく夜
あ、見透かされてる。
心の奥が、チクッとした。
「自分でもなんとなくわかっているのに、そこはあえて、見ようとしていないのかもしれません」
そんな言葉が、自分の口から突いて出た木曜日の夜10時。
恒例のzoomミーティングが終わっても、私の中には、釈然としない「何か」が残っていた。
◇
今日の「自己肯定感研究所」のテーマは「口にするのも恥ずかしい、おこがましいことを話す」だった。
私はこの質問に、こう答えた。
「村上春樹。さくらももこ。末吉広臣。おくやま・ふみ。書店に並ぶ著名人の本に混じって、私のエッセイ・小説が並ぶ。そして、印税生活をする!」
最後は照れ隠しもあって、あはははは、という乾いた笑い声で結ぶ。(通称「バレちゃった笑い」と言うらしい)
エッセイを出版する、というのは、自分の未来インタビューの中で書いたことでもある。
一通り、末吉さんとの会話を交わした後で、ちょっと首を傾げて考え込んだ彼が、こんなことを言った。
「ふみさんは、、、、まだよく見えてこないですね。すごくキレイにまとまって話してくれるけれど、核心に触れていないというか。本当の根っこが、まだつながっていないような感じがします」
出た、末吉さんの特殊能力。
この言葉が、冒頭の「あ、見透かされてる」に続くわけなのだが。
◇
ミーティングが終わり、私の中で、末吉さんの言葉の余韻が、ぐるぐると渦を巻いていた。
確かに、少し前から自分でも違和感はあった。
末吉さんに「では、次、ふみさんどうぞ」と言われるたびに、時間内に、的確に、要点をまとめて答えようとする自分。
いつも、質問の表面をなぞるような回答をしていることが多いな、と、薄々感じていた。
かといって、決して嘘を話しているわけではない。
「ここまでは公に話していいこと」という見えない境界線があって、そこから逸脱して話せない自分がいる様な気がしていた。
他のメンバーのみなさんが、自分のことを素直に、時には赤裸々に話している様子が、うらやましく思えた。
なんなんだろう、この感じ。
今は自分でもまだ消化しきれていない。
会社員をやめて、やりたいことをやっている。
それで生活が成り立っているか、と言われれば、まだまだではある。
とはいえ、それなりに努力もしているつもりだし、ピンときたことには飛び込んで、チャレンジもしてきた方ではないかと思う。
でも、本当にこれって私がやりたかったことだろうか?
本当にインタビュアがやりたいんだろうか?
本当にライターを一生の仕事としたいのだろうか?
本当に、カフェを開きたいって、思っているんだろうか?
なぜかそんな思いが、ふと湧き上がってきてしまった。
もー末吉さん、かき回してくれるなぁ😂(って、別に末吉さんのせいではないのですが)
書くことは好きだし、今すぐやめるつもりは全くない。
でも、何か、ズレているような感覚。
いや、おそらく、大きくはズレていないのだが、肝心な部分のパズルのピースがはまっていない感じ、という表現が近いかも。
私はずっとにんじんが好きだった。だから「美味しそうなにんじん✨」を目の前にぶらさげて、一生懸命走ってきた。
でも、ふと、あれ?私ってにんじん好きだったっけ?と、我に返る様な感覚。
これも、おそらく、自分で選んできたシナリオの一部で、どこかへつながる道の途中なのだろう。
そうは思いつつも、心はざわついたまま、明日になった。
このざわつき、多分、大切。
でも、やることは山積み😂
もんもん、ぐるぐるを、ここに一旦吐き出して、仕事に戻るとしよう。
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