[読書録]三島 和夫(著)『かつてないほど頭が冴える!睡眠と覚醒 最強の習慣』_0008
視野が狭まっていたのは、「早寝早起き」という言葉の響きがあまりにも良すぎるからなのかもしれない。
相反するものや異なる要素。
それらに目を向けられていなかったことを痛感しながらも、質の高い睡眠習慣へのモチベーションが飛躍し、多くの誤解を解消できた一冊。
1.大きな誤解・小さな誤解
ひとづきあいも睡眠も実に不器用な人間である。
ひとづきあいにつまづいた日の夜は眠れなくなるし、眠れないとセルフコントロールが不十分となり、ひとづきあいでまたつまづく。
あるいは、眠るために酒を飲めば翌日のパフォーマンスが落ちて就寝前に悶々とした気持ちになり、眠るためにまた酒を飲む。
このような自身の体験から、睡眠とは負のスパイラルに陥りやすい最たるものだと(ようやく)確信と危機感を抱き手にした一冊。
1-1.本当の悩みは睡眠ではなくパフォーマンス
本書では、睡眠と覚醒をセットにして睡眠を考えている。
まずここで大きな誤解に気づく。
自分にとっての本当の悩みとは、睡眠が上手くとれないことではなく、睡眠不足により生じる心身の不調であり、さらには仕事・プライベートにおいて十分なパフォーマンスを発揮できないことなのだと。
本書から得た最大の気付きは、よく眠ることだけではなく、パフォーマンスを発揮できる覚醒についても理解を深める必要があるということだ。
睡眠不足が続くと、速やかに眠ることだけに意識が向く。
視野が狭まった結果、自分にとっての真の悩みとそのための問題解決は霧に包まれる。そのようにして眠れない夜を悶々として過ごすだけだった。
他にもちょっとした誤解があったので紹介したい。
1-2.のび太くんは慢性的な睡眠不足なのかもしれない
ドラえもんに出てくるのび太くん。あやとりや銃の腕前も素晴らしいが、最も羨ましいのは横になれば直ぐに寝落ちできるところだ。しかし、それは人体のメカニズムには反するものらしい。
つまり、のび太くんが横になれば直ぐに寝落ちできる状態というのは、慢性的な睡眠不足の兆候であり、労う必要性はあっても羨ましがるものではないということだ。
1-3.ブルーライトは悪いやつではない
「スマホ・PCのブルーライトによる健康被害」的な情報を目にする機会が増え、「睡眠を阻害する悪いやつ」というネガティブなイメージをブルーライトに抱いていたがこれも誤解であり、正しく理解できた。
ブルーライトは、「スマホやPCが発する悪い光」ではなく、人の目で確認できる可視光線の中で最も波長が短くエネルギーが強い光である。
確かに覚醒度を高めるが、午前中にブルーライトを吸収することで体内時計を朝型に調整する頼もしい存在である。体内時計を調整する時には、ブルーライトカットメガネやサングラスは外した方がよいそうだ。
1-4.雨の日でもオフィス室内の5倍
まもなく鹿児島市も梅雨明けとなるが、今年は実に雨の日が続いた。そんな時は陽の光が恋しくなる。
多幸感をもたらすセロトニンを日光から得られることは知っていた。故に、雨の日の外出で吸収でいる自然光は微々たるものだと思っていた。
しかし、実は雨の日でも自然光を十分に吸収できる。一般的なオフィスの室内の照度(ルクス)は1,000ルクスだが、雨の日でも照度は5,000ルクスであり、なんと5倍もある。雨の日の外出にも得られる恵みがあることを知る。
1-5.リラックス=入眠効果とは限らない
深夜に入浴してリラックスをする人物の例が挙げられていた。
これは眠る態勢になった脳を叩き起こすような行為だという。自律神経が交感神経優位になるからだ。
睡眠と覚醒のメカニズムを踏まえた行動を取ることの重要性を知る。
2.睡眠と覚醒の質を高めるために
本書では、睡眠と覚醒の質を高めるための方法とその根拠を十分に知ることができる。意識したいポイントを自分なりにまとめると以下の3つにる。
睡眠だけではなく覚醒の質も高めることを意識する
起床と就寝の時間を一定にして体内時計を乱さない
覚醒度の高い時間帯に集中力を要する業務を行う
このポイントを踏まえて1日のタイムスケジュールを考えてみた。
自身の適正睡眠時間は8時間と仮定した。
2-1.睡眠と覚醒にフォーカスしたタイムスケジュール
07:00 [起床 *1]
09:00~[仕事へシフト]
・AMには集中力が必要な業務を入れないようにする *2
12:00~
・この時間までに意識して光を浴びる *3
・昼寝はこの時間帯に。カフェインを摂取後30分 *4
15:00~[集中ゾーン]
・集中力を要する業務を開始する *5
・カフェインの摂取は15時までにする *6
・ブルーライトカットを意識する *7
・この時間帯の昼寝は避ける *8
19:00~[プライベートへシフト]
20:30~[SNSディスタンス開始 *9]
21:00 [40度のお風呂に15分入浴 *10]
22:45 [布団に入り消灯 *11]
上記のスケジュールについて個別に説明したい。
*1 体内時計を乱さないために曜日関係なく起床時間を一定にする。
*2 意外にも午前中は覚醒度が低い。覚醒度が低い時に集中力を要する業務は入れずエネルギーを温存する。
*3 朝起床してから6時間以内に浴びる光には体内時計を朝型に調整する強力な力がある。
*4 長時間の昼寝は夜の睡眠の妨げになる。昼寝前に接種するカフェインは昼寝後の覚醒に有効。
*5 7:00起床の場合、15時ごろから覚醒度が徐々に強まる。この時間帯に集中力を要する業務を行うようにする。この時のパフォーマンスを高めるためにもエネルギーを残しておく。
*6 21時をピークに徐々に覚醒度が強まるため、カフェインは控える。
*7 PCの夜間モード開始時間を15時に設定した。
*8 遅い時間の昼寝は夜の睡眠へのダメージが非常に大きい。
*9 就寝前に感情が揺さぶられる刺激を減らす。
*10 就寝1時間30分~2時間前の入浴の有効性は人体のメカニズム的にも根拠がある。
*11 理想の室内環境は温度26℃、湿度50%。最も布団に持ち込んでいけないのは人間関係!!
2-2.実現するために大切なこと
小学生の頃から計画を立てて物事に取り組む訓練をするのは、計画性が大切である一方で往々にしてそれに変更を要したり頓挫するからだろう。
このスケジュールを見ても、その実現は非常に難しいと思う。突発的な依頼もあれば、夜更かしをしたくなる誘惑も当然ある。
本書では、より良いパフォーマンスを発揮するために、自身の覚醒と睡眠を観察することの重要性も書かれていた。正にそれが肝要だと思う。
計画通りにいかなかったとしても、それはそれで観察対象であるし、その観察こそが次の計画に活かされるのだ。
他の記事にも書いたが、とにかく考えることを止めないことだ。例え思うような改善が得られなかったとしても、諦めずに考え続けるその行為そのものが正解である。そのためには情報が必要になるので観察が必要だ。
小学生の頃の夏休みに取り組んだアサガオの観察は、人生をよりよく生きるためのスキルを示唆していたのかもしれない。
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