企画開発サプリ #0
初めまして。このnoteでは私の経験を元にカプセルトイ業界においての企画開発、特に商品開発におけるポイントやテクニックを公開していきたいと思っています。出来るだけ分かりやすくお話しをしていくつもりですので、これから玩具業界に就職されたい方、次のステージとして玩具業界を目指されている方々に見ていただければ幸いです。
カプセルトイ業界の今。
皆さんご存じの通り、日本は少子高齢化が進みその未来が悲観され始めています。玩具業界、またカプセルトイ市場においては日々減り続けるメインターゲットである子供たちが減り続けている中で、そのビジネスモデルにも変化が出てきています。
大人、特に女性に向けた商品が多く開発され、売り場も以前のようなトイレの前の日陰ではなく、テナントの前の通路など一等地に置かれるようになってきました。これはここ数年で起きた革命的な変化です。
ガチャガチャって恥ずかしい///
ひと昔前は、そんな言葉が溢れていました。女性がしゃがみ込んでガチャガチャ大きな音がする玩具の自販機を回すなんて考えられませんでした。そんな「子供の玩具」的な業界に、どのようにして変化が起きたのでしょうか?察しの良い方ならお分かりかと思いますが、やはりこの商品がターニングポイントのように思います。
買って終わり、シャラップトイ、もしくは男性向けのマニアックなフィギュアという風潮に突如として旋風を巻き起こました。この成功は様々な記事で分析されていますが、業界から見てもやはり「ホワイトスポット」を狙ったことが大きいと考えます。女性向けのカプセルトイとしてはディズニーのフィギュアシリーズなどが20年以上の歴史を持っていますが、キャラクターパワーに頼らない新キャラクターとしてここまでの地位を確立した事は、当時としては革新的でした。この「コップのフチ子」の登場によりカプセルトイはインテリア、ファッションアイテムの側面を持ち所謂ライトユーザーの裾野を広げました。
コレクターアイテムとしての価値
また同時に女性ユーザーの幅を広げた要因が、もう一つあります。それは、今では一般的になりマシンのラインナップ(業界用語でフェイス)にも多く入っている「アニメ、ゲームコンテンツ」です。
このボンゴレリングは少年ジャンプの人気漫画「家庭教師ヒットマンREBORN!」に登場する変身アイテムのようなものですが、この商品の主な購買層は若い女性だと言われています。確かにこの当時から、幕張メッセでのイベント「ジャンプフェスタ」でも、少年だけでなく若い女性の来場者が増えていると話題になっていました。このようにアニメ、ゲームのファンに向けたコレクションアイテムの登場により、他に購入場所が無かったファンはいよいよカプセルトイ売り場にたどり着いたのです。
カプセルトイの未来
このように、近年は商品から発生したブランド、また過去の購買層と違う新規顧客が多様化し「第2次カプセルトイブーム」と言われています。そしてこのカプセルトイ業界は、流行がもの凄いスピードで変わっていくことも忘れてはいけません。(私は苦手ですが、、、)巨大なダンゴムシや、顎がシャクれた動物など、各社が独創性を持って商品を発売しています。アンテナを張り巡らせて、常に何が流行っているかをチェックする事は、他業種の企画開発然り、カプセルトイの開発においてもやはり、最も重要なスキルです。
初回は伝えたい事が多く、少しとりとめのない感じになってしまいましたが、引き続き様々な角度で企画開発、商品開発の楽しさやポイントをお伝え出来ればと思います。
ご覧いただきありがとうございました。