映画「怪物」と「銀河鉄道の夜」
映画「怪物」を観た。
日本は、アニメだけじゃないな。
きっと、伝説の邦画となるだろう。
『Woman』『カルテット』『anone』『大豆田とわ子と三人の元夫』『初恋の悪魔』
脚本家の坂元裕二さんのドラマは、登場人物がとても魅力的。勧善懲悪ではないところが、本気で観てしまう理由だと思う。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のカムパネルラとジョバンニが、映画「怪物」の二人の少年と重なった。
思うように生きるのがどんどん難しくなっている時代だから、こんなふうに解放されるような話に救われるのかもしれない。
美しい星空を鉄道が行く、現実と夢が混ざり合ったような不思議な世界にすぐに順応する二人
少年たちの心は、リアルの世界からいとも簡単に抜け出し、一瞬にして宇宙の彼方に飛んで行く
「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。
誰の手も届かない不思議な世界で、もしかしたら、死を超えてもずっとつながっていられるのかもしれない、という気がする。
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