0111 聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『テオレマ』聖地巡礼
2019年11月1日(金)と11月2日(土)にイタリアのロンバルディア州ミラノ大都市圏(旧ミラノ県)ミラノで聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『テオレマ』(Teorema)の聖地巡礼をしてきました。
聖ピエル・パオロ・パゾリーニは『カンタベリー物語』の1972年第22回ベルリン国際映画祭金熊賞で列聖。
当該の『テオレマ』は、1968年第29回ヴェネツィア国際映画祭女優賞(ラウラ・ベッティ)受賞。因みに金獅子賞は聖アレキサンダー・クルーゲの『サーカス小屋の芸人たち 処置なし』(日本未公開)。
ミラノの大邸宅に暮らす裕福な一家の前に、ある日突然、見知らぬ美しい
訪問者(演:テレンス・スタンプ)が現れる。父親パオロ(演:マッシモ・ジロッティ)は多くの労働者を抱える大工場の経営者。その夫に寄りそう美しい妻ルチア(演:シルヴァーナ・マンガーノ)と無邪気な息子ピエトロ(演:アンドレス・ホセ・クルス・スブレット)と娘オデッタ(演:アンヌ・ヴィアゼムスキー)。そして女中エミリア(演:ラウラ・ベッティ=1968年第29回ヴェネツィア国際映画祭女優賞受賞)。何の前触れもなく同居を始めた訪問者は、一家を魅了し関係を持つことで、ブルジョワの穏やかな日々をかき乱していく。青年の性的魅力と神聖な不可解さに挑発され、狂わされた家族たちは、訪問者が去ると同時に崩壊の道を辿っていく…。
という訳で、訪問者の青年が訪問して一家崩壊させる『テオレマ』ウルトラ級聖地のお邸です。無人運転のミラノメトロ5号線 Linea M5 に乗って行きました。
Linea M5 (metropolitana di Milano) - Wikipedia
日本では考えられませんが、メトロとトラムが地下と地上で並走して運行されてる場所でした。セジェスタ駅 Segesta 下車。徒歩10分。
Segesta (metropolitana di Milano) - Wikipedia
でもって聖地ですが画像をご覧になるとわかりますが、正面玄関の扉は付け替えられてますが、庭のタイルは撮影時のままでびっくりです。向かいの建物は建て替えられてました。
続いて、訪問者が出て行ってから、女中エミリアは暇を出されて実家の農家(パヴィア郊外)に戻るのですが、帰りしなに乗りこんだトラム16番のサン・シーロ・スターディオ San Siro Stadio 電停です。この場所の特定は資料が全く無く難易度がかなり高かったのですが、少なくともメトロと並走しているトラムの駅で、且つ、ミラノの中心寄りというよりは、乗降者が少ない郊外側だと推測。ストリートビューでトラム16番 linea 16をセジェスタ電停から終点へ終点へと進めていったら、道路両脇の建物が映画本篇と全く同じ地点に到達。ヒットです。実際にお邸から歩いて行ってみたら、地下鉄駅で1.5駅分(徒歩12分)で、トラムの電停は現在安全地帯は残ってますが乗車は出来ません(終点で降車は出来る、始発での乗車となる場所は移設)。でもってこの聖地なんですが、電停の名称にもある通り画像の方角から体の向きを左に135°移動させるとサッカーのウルトラ級聖地スターディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(通称サン・シーロ・スターディオ…セリエAのACミランとインテル・ミラノの本拠地・イタリア最大のキャパ80,018人!)があるんです。
Stadio Giuseppe Meazza - Wikipedia
という訳でトラムの駅もメトロの駅もサン・シーロ・スターディオ駅です。トラムの乗車場所の位置が変更になったのもスタジアム前広場に乗車場を移設した為。日本だと地下鉄が開通するとそれまで運行されていた路面電車が廃止されますが、ここでは並走させないとダメなんでしょうね。因みに訪問日は土曜日でシーズン中だったのですが、ACミランもインテルもアウェイだったのかで試合はやってませんでした。
訪問者が出て行ってから一家全員がどんどんおかしくなっていきますが、その度にお邸は出てきます。
本篇ラスト直前の経営していた工場を労働者に移譲したお父さんのパオロが
ストリーキングをするのがミラノ中央(ミラノ・ツェントラーレ)駅 Stazione di Milano Centrale 。
Stazione di Milano Centrale - Wikipedia
脱ぎだした地点は帰国してから確認してみると屋根の支柱の位置がポイントなんですが、ズレてました。ごめんなさい。
©2019 プッチー・ミンミン
©1968 Aetos Film
聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督他作品の聖地巡礼
0109『奇跡の丘』
0110『アポロンの地獄』
0112『王女メディア』
0113『デカメロン』
0114『カンタベリー物語』
0115『アラビアンナイト』
0116『ソドムの市』