漫画にまつわる、あの恥ずかしい記憶。
こんにちは、ぷるるです。
久しぶりに風邪をひき、木曜から土曜までをベッドの中で過ごしました。
こんなに眠ったのは、ずいぶん久しぶり。おかげで元気になりました。
ところで病気の時って、いろいろな「声」が心を駆けめぐりませんか?
普段つい忘れがちになる心の一部が、ゆるりとその扉を開くからじゃないかと思っています。
でも今回は、永遠に忘れていたかった記憶までよみがえり、ちょっと参りました。なんというか、恥ずかしくて・・・。
そんな、漫画にまつわる昔の思い出。よかったら聞いてください。
風邪で予定の記事を書けなかったからではありません、決して。
私は7歳の時に「ドラえもん」と出会ったことで、漫画好きになりました。
でも、なかなか思うように読むことはできませんでした。
今と違って無料漫画やWEBレンタル漫画はない時代。
図書館でも漫画は借りられません。なぜなら一段下に見られていたから。
気の合う友達はいつも漫画に興味が薄く、流行ってる少女漫画しか貸し借りできませんでした。
中学までは男子が少年漫画を貸してくれたけど、高校は女子校だったのでそれも難しく・・・。
限られた予算で買うから厳選せざるを得ず、どうしても一番好きな少女漫画かサブカル系漫画(価格高)に偏ってしまうのです。
しかし世界は広い、漫画のジャンルは深い。
ああ、もっとあらゆる漫画を読んでみたい!漫画ワールド広げたい!
私は小学生の頃からずっーと、そう思っていました。
そんな高校1年のある日。私は学校帰りに新しい店を発見しました。
その名は「MINEGISHI」。なんと「漫画レンタル屋」でした。
狭い店内の四方の壁は、上から下まで漫画・漫画・漫画!!!
少女から少年、青年からおじさん向けまで、たっぷりと!!!
気が狂わんばかりに私が喜んだこと、ご想像いただけると思います。
当然私はMINEGISHIのとりこになりました。
詳細は忘れたけど、一番短いレンタル期間なら1冊70円だったはず。
ずっと読みたかったあの長編にも、十分トライできる額です。
好みじゃない絵の作品や、マイナー作品にも手を出せる。
私はひとりMINEGISHIにかよい、コツコツ借りて読みまくりました。
雨の日も風の日も、桜散る中も雪の夕べも。
ひとりでじっくり漫画を読み、心の中で温めるのが楽しかったのです。
でもそれが、忘れたい出来事の元凶ともなったのですが・・・。
さて高2に進級した4月。
私は新しい友人と、当時新しく出来た大人気スポットへ遊びにいきました。いわゆる「オシャレな人々が集う場所」ってやつです。
女友達と初めて遊ぶ時は、初デートと同じ『おしゃれ気合』が必要!!
よってこの日、私は自分のエースである「母が若い頃使っていた、オーダーメイドの革バック」を持って、出かけました。
そのバッグはクラシカルでありながら、時代の違いから来る斬新さも持ち合わせた、誰からもほめられる一品だったのです。
ただ女子高生として特異な点は、その中に5冊の漫画が入っていたことでしょうか。友達と別れた後、MINEGISHIに返そうと思っていたんですよね。
浮浪雲3冊と、弐十手物語2冊を。
どちらもTHE・中高年向け漫画。
浮浪雲は有名(ですよね?)と思いますが、弐十手物語はですね、「週刊ポスト」で2003年まで連載されていた漫画です。
江戸時代、同心として働く菊池鶴次郎を中心に描く、人情捕り物時代劇。
父の好きな喫茶店へたまに同行した時、読んでいたんです。
そこは新聞と週刊誌と、この弐十手物語単行本しかなかったから・・・巻数バラバラのね・・。
でもMINEGISHIには全巻あったから、それで・・・。
正直、女子高生には適していない漫画です。
でも根底に流れるメッセージ性は深く、世代を超えた人の情をきちんと捉えた名作です。私はこの作品を通し人生の裏をも垣間見たことで、人として視野が広がったと確信しております。(言い訳終わり)。
さて私は漫画と共に友人と会いまして、話に熱中しながら、通路を歩いていました。
その時。
古いバッグの留め金が漫画の重みに耐えかねて、パッチンと開いてしまったのです!!
バッグの中身は、よく磨かれたツルツルの床へ勢いよく散らばりました。
もちろん5冊の漫画も、全方位へ、バーっと滑り・・・。
もちろん誰もが見て見ぬ振り。
でも、でも、でも!!
市内で人気のスポットですよ?おしゃれな人が集まる場所ですよ?
自意識過剰の17歳には辛すぎた。
「今すぐ、地球よ消えろ!」と願うもむなしく。
一緒に拾ってくれた友は、顔が真っ赤でした。
マジ、すまんかった。
しかも、これはまだ会って20分後の出来事なのです。
この日私たちは、夕方まで遊ぶ予定でいました。同じ場所で・・・
これは『人生で恥ずかしかった記憶ベスト5』に入ります。
でも、私はこのことをすっかり忘れていました。
多分、記憶から消したかったんでしょうね・・・17歳の私は。
みなさまも、どうか風邪にはお気をつけください。
思わぬ記憶がよみがえってしまうかもしれませんから。
<おまけ:漫画のあらすじ解説>
*1 当時は本当に笑ったけれど、今は古く感じるだろうな。
<あらすじ>
超混雑の通勤電車、人々は座席をめぐって熱い闘いを繰り広げていた。そんな中、必ず席をゲットする薄毛の中間管理職。ついたあだ名は「流星課長」。
しかし彼は、伝説のロッカー「マリリン伝次郎」という過去を持つ男だった・・・
*2 去年映画になりましたね。面白かったんだろうか。
<あらすじ>
海江田四郎艦長は原子力潜水艦「やまなみ」を偽装事故により奪取、自身を元首、クルーを国民とする独立戦闘国家「やまと」の創設を宣言。世界各国に向けて己の思想を語りかける。
そんな彼の言動は、日本国のあり方、行く末、政治家の心を少しずつ動かし、変えていくのだが・・・。
*3 超傑作と断言させていただく。でも10巻ぐらいまで絵がひどい。
<あらすじ>
人種の異なる3人の人物を通して、20世紀を社会問題を絡めて描くオムニバス形式の物語。生きるとは何か、死の意味とは。私たちの幸福は何を犠牲にして成り立っているか。
主人公の一人であるジェームスは、いつも読者に真実を突きつけてくる。それが目を背けたくなることであっても。
*4 この漫画に、今の若い子はどんな感想を持つんだろう。知りたい。
<あらすじ>
幕末の江戸で荷物運搬等の問屋「夢屋」の主人・雲とその家族、市井の人々との日常を描いた作品。
魅力は女好きで捉えどころがなく、でも道理を知り尽くし、かつめっぽう腕が立つ主人公「雲」の存在。一種のスーパーヒーローものと私は考えている。