わたしが一番したいこと〜しあわせ刺しゅう時間15〜
こんにちは、ぷるるです。
刺しゅうの世界をのんびり歩くこのシリーズ。
前回は家着のTシャツに、ワンポイント刺しゅうをしました。
2、3月はまとまった刺しゅう時間が取れず、記事のアップを断念・・・。
でも、毎日ちょっとずつ刺してはいたんですよ〜。
「ぷるる」を、ね!
「いやいや、あなた『Tシャツに刺しゅうをして、外出するプロジェクト』を立ち上げたはずでしょ?」
そんな疑問もおありかと思います。
私もそのつもりでしたが、前回の刺しゅう記事の後、ふと「ぷるるを刺してみたいなあ」との気持ちが、むくむくとわきあがってきたのです。
せっかく自由な刺しゅう時間、計画に縛られたらもったいない。
そこで心のおもむくまま、寄り道をすることにしました。
もしかして、新しい発見があるかもしれませんしね!
ではどうやって「ぷるる」を刺すのが良いでしょう。
「イラスト」だから、毛並み感を出したくはないな。
でもメインが白色なので、縁取りはしたいところ。
そうして、刺したのがこちらです。
あまりに思っていたのと違ったので、この手法はやめることに。
恋も仕事も引き際が肝心ですよね。
うーん、面(白色やオレンジ色の部分です)は埋めない方がいいかも・・・
というわけで、今度は布地の色を活かして縁取りだけにしました。
それがこちらです!
ちなみに縁取りは、「アウトラインステッチ」で刺しています。
でもおしゃれにしたかったのに、完成したのは妙にほのぼのした姿。
「おら、お腹いっぱいだよ。しあわせだなあ〜」とか言ってそう・・・。
でもよく考えてみたら「おしゃれぷるる」など、一度もお目にかかったことはありませんでした。いつしか幻想を見ていたようです。
うん、これで完成としよう!
そして今度こそ外着Tシャツの刺しゅうを始めよう!
そう思っていたのですが・・・。
なんかしっくり来ないのです。大事なものを、どこかへ置き忘れてきたみたい。
そこで刺しゅうしながら考えることにしました。
私、刺し足りないんだ。
答えはいつだって、自分の中にあるものですね。
アウトライン刺しゅうは思った形が取れるし、短時間で作品を仕上げられ、実に楽しいです。針と直感がつながるように感じますし。
でも私は面をみっちり埋めるのが好きなんです。
それを叶えてくれるサテンステッチがお気に入り。
そうじゃないと物足りない。刺した気がしなくって。
そこで私は、もう一度「ぷるる」を刺し直すことにしました。
すると、今度は別の気づきが訪れたのです。
それは、
イラストを刺すのが、一番楽しい
との思いでした。
noteを始めた頃、私は素晴らしい刺しゅうに出会いました。
北斎の浮世絵を今風にアレンジした、超ロッキンな作品です。
その方はもうnoteを辞められたので、作品をご紹介できませんが、あまりのカッコ良さに胸を射抜かれ、私は夢中で彼女の作品を堪能しました。
他にも抽象画のように心の色や形を糸で表現される方、動物や植物をきめ細やかに刺し写す方にも出会いました。
これらのアート性の高さには、ずいぶんと憧れたものです。
でも憧れと自分がやりたいことって、また別なんですよね。
私はその姿をシンプルに描いた絵の図案を刺すのが、一番ワクワクするのでした。
そして小さく、ポップで、キュートなのが好き。
車なら初代のミニクーパー。
自分が作るのは、そんな刺しゅうが良いです。楽しいです。
そこに「クスッと笑える楽しさ」も入れ込めたら、さらに幸せなんですよね。
私はこの時、「これからは少しずつ、自分ならではの作品を刺せるかもしれないな」と、思ったのでした。
すると胸の中に、違うタイプの刺しゅう作品への感謝が、いっぱい広がり始めたのです。存在してくれてありがとう、みたいな。
好みが違うおかげで、私は自分では刺さない素晴らしい花の刺しゅうや、ハイセンス刺しゅうなどを楽しめ、時には手に入れる事ができます。
これが最高でなくて、なんでしょう!
ああ、やっぱり刺しゅうは。
いいえ、表現の世界は自由で広大だな。
みんな違うって、本当にすごい事。
例えそれが、いざこざの種であるとしても。
私はこの世界が違いあふれた豊かなものであって欲しいし、それを許容できる強さを持っていたいと思うのでした。
さて、そんなことを考えているうちに「ぷるる」が完成しました!
気になる点は多々ありますが、今はこれが精一杯。
でもなんと楽しい時間を過ごせたことでしょう!
マガジンのトップ画を、全部ぷるるで揃えることもできますしね。
これで今度こそ心置きなく、『Tシャツに刺しゅうをして、外出するプロジェクト』に取り掛かれます。
もちろん小さくポップでキュート、かつコミカルな図案でいきますとも!
私の刺しゅう旅は、まだまだ広がっていくみたいです。
*おまけ*
アウトラインステッチの名手ささきみえこさんは、彫刻・版画・イラストを手がけるマルチアーティストです。素敵な作品群はこちらから!
「PURURU」の文字デザインは、薗部裕子さんの図案を使用しました。
そのうち文字デザインも自分でしたいなあ。