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平衡を保ちたいという感覚
ひとつ、自分の悪い癖がある。「質問返し」だ。
些細な質問をされた時、質問で返してしまう癖がある。
私自身、質問を質問で返されるのは好きではないので、よくないなあと思っているのだが、話し方というのはなかなかどうして変えられないものである。
自分と相手のために質問を返す
なぜ質問を質問で返すかというと、相手の発言の意図を探っているからだ。
一般に有名な例を挙げると、用件を言わずに「明日空いてる?」と質問する人は嫌われる。「その日って何かあったっけ?」と質問を返すのが”正解”らしい。
これは自分のためである。
用件によって返事を変えたいから、返事をせずに質問を返すことで情報を引き出すのだ。
逆に相手がどんな回答を欲しいのかを探って、質問をする場合もある。これは自分の意見をさほど通す必要がないとか、相手を尊重しようという時に質問を返すものだ。
私は自分のために質問を返す
私の場合は、先ほどの例で言えば後者の場合が圧倒的に多い。
しかし、それもまた私の場合は自分のためなのだ。
相手の欲しい答えをあげたいと思っているから、そもそも質問に対する自分自身の答えを持ち合わせていない。双方が幸せな、バランスのいい回答をしようと考えている。
質問返しされるだけで不快に思う人もいる中、そのような私の思いを実現させようとするのは私のエゴに他ならないだろう。
時々、自分を守るために質問を返すこともある。
これは相手の質問が気にくわない時だ。
いかにも自己満足のための自慢話をしようとして、布石の質問をする人がいる。
「君は○○って経験したことある?」
この手の質問は言い方から表情からどうにも不快になるので、「○○って何ですか?」からどんどん質問を重ねて話を逸らしにかかってしまう。なんて悪い癖だろう。
何れにせよ、私は私の満足のために質問に簡単に答えない。
平衡を保つために自分で決めたい
質問返ししてしまう人は多いように思う。
スッと一言で返せる人は純粋で素直なのだろう。
私の回答を受けて会話の流れを決めるのが相手だということが、私にはどうにも許しがたい。全て自分で決めてしまいたいと思っているのがまたダメだなと思う。
「私に任せてくれたら平衡を保ちながらうまい具合に平和に収められるのに」という驕りがあるのだ。
なるべく質問返しはしないようにしようとは思うが、バランスを取るために動くことは続けたいと思っている。
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