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楽しいと思ってくれたら

誰だって、自分の好きなものを誰かが好きと言ってくれたら嬉しいし、もしそれが誤解されやすいものだったらなおさらだ。

学ぶことは楽しい。
知ることは楽しいし、出来なかったことが出来るようになることも楽しい。
あらゆるものの中でいちばん楽しいものかって聞かれたら、他にも好きなものはあるけれど。
強いられるからつまらないと感じるのも分かる。強いられるものではなく、自ら選び取れるようになるともうちょっと、面白いと思えるのかなぁとか、思うけれど。

中学生までお世話になっていた先生に、久しぶりにご挨拶に行ってきた。大学合格の報告もせず、何年もご挨拶に行かないで、いっそ恩知らずと罵られる方がありがたいとも思っていたが、先生は変わりなく優しく迎えて下さった。

たくさん、色んな話をした。ここみたいな教室を、先生みたいに開きたいと思っていること。面接のこと。大学のこと。アルバイトのこと。先生が数検2級の一次は通ったけど二次がダメだったこと。世界遺産検定に挑戦したこと。博物館実習で紐のかけ方を習ったと話したら誰も紐をかけられなかった骨董品が出てきて紐を結ばされたりした。

子どもの目線を抜け出してから会った先生は、記憶の中の先生よりもずっと純粋に学ぶことを楽しんでいるように見えた。学ぶことが好きだから、子どもにもそう感じてもらいたい。難しいことに取り組むことは大事だけれど、つらい記憶しか残らなかったらかわいそうだ。そんな風に思う先生のもとにいたから、わたしは"こう"育ったんだろう。"こう"育つことが出来て、同じようなことを思うようになったんだろう。こんな関係性の相手のことを、「恩師」と言うんだろう、きっと。先生は本当に、誰よりわたしの"先生"なんだな。


先生、わたしも勉強好きです。
わたしも、勉強たのしいってなるべくたくさんの子に思ってほしい。
だから、この道を選んだんです。


先生のところで数検3級を申し込んで、宿題を貰って帰ってきた。卒論の合間に取り組もうと思う。うん、ワクワクする。


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