神様のいるマンション　神様の話④

一家で地元に戻って来た
新しい家は賃貸で、ローンの心配が無く
なんとも軽い気持ちだった

東日本大震災が起きた時
その影響で南海トラフが今にも来るという
恐ろしくなるような報道が連日流れていた

家は無くなり、ローンだけが残ると想像しては
気が重くなった
いつ津波が来るかと
いつもどこか身構えているような日々を
しばらく続けていたと思う

震災後、３年ほど経った頃
私は動悸がしたりと体調を崩す時期があったのは
PTSDだったのだろうか
その時も、元気のない私を
主人が思い立って高野山に連れてくれて
山を車で上がっていく道中
上がるに連れて取り付いていたのが
体感でわかるほど楽になり
高野山に着く頃には
とてもすっきりとしていた
高野山とは本当に不思議な場所である

広島に来る直前に行った天河神社で
禊がれた気分で越してきた新居は
古いマンションだがよく手入れされていて
古さがわからないほど小綺麗だった
ベランダからは、チラリと宮島が見える

数ヶ月前に一度帰ったタイミングで
数件見た後の時間がない中、
最後に見た物件だった
予算をオーバーしたがここにと決めた

越してきて何日経った頃だろうか
敷地内に小さいが立派に祀られている
お社を見つけてハァと驚いた
お掃除をされていた管理人さんに聞く
「ここは何の神様が祀られているんですか？」
「出雲の神さんですよ」

急いで調べる…大国主さんだ
大国主さんは
市杵島比売さんを妻にしたとも言われている
この頃から行く神社の神様は
大国主さんにまつわる神様を
よく目にするようになっていた

神様カードなるもの

同じ時期
友達から神様カードというものを知った
いわゆるオラクルカードだ
神様と神様からの言葉が書いてある
おみくじみたい
こういうものは買ったことがなかったが
すでに神様好きになっていた私は迷わず購入した

地元とはいえ
新しい環境で慣れない日々を
神様カードの言葉にたくさん救われた
そばにいて優しく語りかけてくれるようだった

神様カードでまたさらに
神様の系図、つながりを知るようになる
引くカード全てではないが
大国主さん系の神様のカードを引くことが
多いことに気づき始める