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英国でカリグラフィーのワークショップ「海の町チチェスター編」

イギリスでは7月より、新型コロナウイルス対策によるさまざまな規制が緩和され始めました。それにともない、わたしの好きなカリグラフィーの先生がワークショップを再開したことを知り、思いきって参加してきました。ロンドンではないので少し遠出になるのですが、わが家からは車で1時間半とロックダウン(都市封鎖)明けの日帰り旅行にはちょうどよい距離でした。

穴場の公共海水浴場イースト・ウィッタリング

実はワークショップに出るのははじめてで、気合いが入りすぎて1時間も早く会場に着いてしまいました。なので、急きょ時間をつぶすためにも近場のビーチに向かうことにしました。ここら辺は海から近い町が多い、イングランド南西部のサセックス州で、この日はイースト・ウィッタリング(East Wittering)という地域に行ってきました。

おどろいたことに、現在はコロナウイルスの影響で人数、車両に制限をかけるため、予約が必要なビーチが数多くありました。幸いわが家は事前予約がいらない公共の海水浴場(public beach)を見つけられたので、そこでたったの1時間足らずですが、さえぎるもののない開放感をたっぷり堪能しました。ほんとうに、この数ヶ月間は家にこもることがほとんどで、これといった外出はロックダウン以来はじめてでした。外の空気を吸うことがこんなにも気持ちのいいことなのかと、しみじみとありがたみを感じました。

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海岸の人手もときがたつにつれ増えましたが、それでもおそらく、ほかの有料ビーチよりかは圧倒的に少なそうで、穴場といえそうです。それでも周囲には、社会的距離をうながす標識がそちこちに掲げられていました。

ワークショップの流れ【コロナ対策バージョン】

その後、10時開始のワークショップにギリギリで滑りこみました。入り口には消毒液が置かれ、会場内はひとつの長テーブルの両端にそれぞれひとりずつが座りました。自然と収容人数も従来より少なくなっているそうです。この日は全部で13人の参加者数でした。

紅茶やコーヒーといったドリンクが運ばれてきて、その日の流れが説明されました。教室側としても、この日はコロナ後はじめての回なので、これをスタンダードにするべく、スタッフや先生の気合いを感じました。

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午前中は、ペン先を使ったモダンカリグラフィーのレッスンです。線やアルファベットの練習用「ドリル」をこなしながら、合間に先生が黒板でデモをしたり、参加者の間を歩きながら時おり個人指導をしてくれるスタイルです。

わたしはインクがうまく流れず、初っ端から苦戦していたのですが、まわってきた先生が「ペン先の向きをこちらに変えるように」といわれたとおりすると、それまでのことがウソのように滑らかにペンが走りはじめました。先生もいっていたとおり「ほんのわずかで簡単なことが、大きな違いを生みだす」ということを、まさに体現してくれた瞬間でした。

ランチタイムはガーデンで

この日のワークショップは終日コースで、お昼休みをはさんで午後の4時までが予定されていたスケジュールでした。昼食はいつもですとビュッフェ形式だそうですが、今回はコロナ対策でひとりずつ個別のお皿にスタッフが取り分けてくれました。

好きなドリンクもお願いし、外でいくつかのグループに分かれ、ほかの参加者と交流しながら食事をしました。みなさん、カリグラフィーは始めたばかりやこの日がまさに全くのはじめてという人もおり、住んでいる場所も会場近くの地元民が多かったです。娘さんと親子で参加しているケースも2組あり、友人どうしが1組、それ以外がわたしのように単独参加でした。デザートやおやつは、これまた個包装されたものだけに変更したそうです。

午後のセッション

みなが外で談笑しているあいだ、スタッフは教室内を午後のレッスン仕様に整えたりと大忙しです。席にもどった頃には、それまでインクをつけて使うペン先だったのが、替わりにカラーペンがたくさん置かれていました。

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午後はブラシペン(カラーペン)の指導で、これまでインクをつけるペン先にばかり注意を向けていたわたしにとっては、正式に習ういい機会でした。線の太さを出すために、先生は想像を超える圧力でブラシをしならせるなど、実際に目にして納得することができました。

実はカラーペンも文具大国ニッポンの製品であることが多く、イギリスで買うと高いのですが、この日はたくさんのブランドを試す絶好の機会でした。複数のひとと集まって何か作業をしたり、そもそもこんなにも長い時間「ひとりの時間」を満喫できたのもいつぶりか、と思いだせないほどです。

なごり惜しいせいか集中したせいか、午後はさらにあっという間に終了時間がきてしまいました。コロナウイルスの影響で、ありとあらゆることがオンライン化され、カリグラフィーにもオンライン・ワークショップが多数でまわりました。それも便利ではありますが、やはり実際に生身の人間と対峙するワークショップからは学べることが多いな、と大満足でした。

歴史的な大聖堂が見どころのチチェスター

帰りがけに、ここら周辺ビーチの拠点となるチチェスターという町に立ち寄りました。古くからある歴史ある町のようで、中心にはシンボルであるチチェスター大聖堂が堂々とそびえていました。

となりには秘密の花園のようなしずかな庭園、Bishop’s Palace Gardensが併設され、季節柄、花が咲きみだれてとてもきれいでした。この日はみごとな晴天で、ビーチや町中散策まででき、はじめてのワークショップとしてはたいへん充実した1日をおくれました。

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パーリーメイ | Purleymay
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