ドびっくりイギリス英語プチ講座vol.10<チャリティが盛ん「サマリア人(びと)協会」とは?>
東南アジアなどでは、徳を積む「お布施」のような意味合いでの寄付が多いですが、イギリスでもテレビ・コマーシャルやイベントなどを通し寄付、チャリティ活動と生活が密接に結びついています。
イギリスで設立された慈善団体はSave the ChildrenやOxfamなど、世界的に有名なものも多いですが、今回は「日本ではあまり知られていないのでは?」と思う、私自身がこちらに来て初めて耳にした団体を紹介します。
イギリス発祥の「いのちの電話」
クリスマスが近づくにつれ、チャリティ活動も盛んになるのか、今年はやけに
という聞き慣れない単語を目にしました。辞書で調べてみてもその名のとおり、「サマリアの」としか書かれておらず、始めは困惑しました。もう少し先まで読み進めると「サマリア人(びと)協会。1953年ロンドンに創設された、精神的な悩みをもつ人々の救済を目的とする団体(参照:Weblio)」とありました。
日本ではいままさに某女優さんが急逝されて、記事の末尾に記されていることが多いですが、「いのちの電話」で知られている自殺防止対策としての電話相談は、ロンドンのシティにあるセント・スティーブン教会(St Stephen Walbrook)で牧師をしていた、チャド・ヴァラー(Chad Varah)さんによって始められたものなんです。
現在ではイギリス国内とアイルランドで200以上の拠点を持つまでになった、同チャリティ団体の主な活動は、この電話相談を受けることです。
電話応対はボランティアによってなされ、クリスマスはこれらの活動を支援する募金活動などが、一種の象徴と化しているようです。
著名なアーティストが自分の作品の売り上げを団体に寄付したり、退役軍人の一般人がクリスマス期間中は、毎年相談員としてボランティアに奔走したりしている記事を読みました。
現代の救世軍
イギリスには、日本で言うリサイクル・ショップのようなお店が各町にたいてい1軒はあるのですが、そういったお店の商品は全て一般家庭から寄付されたものです。その売り上げが、各店で看板を掲げているチャリティ団体の活動資金となる仕組みです。
や、かの有名なキュリー夫人の
などは想像に易いのですが、
の看板を見たときは、アーミー・グッズでも売ってる店かな、ぐらいにしか思わなかったのですが、これもまた慈善団体で「1865年にロンドンで組織した国際的な軍隊式キリスト教団体(参照:Weblio)」でした。主な活動は、キリスト教を伝道しながら貧しい人やホームレスの世話をすることで、「救世軍」の名で日本支部もありました。
教育現場でも盛んなチャリティ活動
子供の通う学校やボーイスカウト(関連記事)、近所のスーパーでも、
Food Hub
と言う、寄付された保存食品を恵まれない人たちに分け与える活動が盛んで、子供たちが小さいうちからチャリティが身近な存在になっています。
わが子の学校では、毎年クリスマスの時期に向けて、手持ちの靴箱(下駄箱ではなく、靴を買ったときについてくる箱のことです)にプレゼントを詰めて贈る「Christmas shoebox appeal」活動を行っています。これは
という団体に賛同した学校が各家庭に寄付を募るもので、プレゼントと言っても子供だけではなく、家族向けと年配者向けの2種類があり、それぞれ必要とされる生活品をリストを見ながら購入して揃え、ラッピング包装、送料用の硬化£2までテープで貼りつけて学校に持っていきます。
はじめは靴の箱に詰めることに違和感を持ちましたが、確かにちょうどいいサイズとリサイクル感覚で、いまでは納得のアイディアです。寄付先は、ルーマニア、ブルガリア、モルドバとウクライナの東欧諸国の人びとに届けられます。
日本にもきっと、皆さんが支援したいさまざまな団体があることかと思いますが、今回の記事中の諸団体など、もし海外での寄付にご興味をもつことがあれば、お金だけのオンライン寄付も受けつけていますので、各ウェブサイトを覗いてみてはいかがでしょうか。
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