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【note版】イギリスの上野?イングランド南部在住者の生命線「ヴィクトリア駅」

先月崩御されたエリザベス2世女王の高祖母にあたるヴィクトリア(ビクトリア)女王は、世界各地を植民地化、半植民地化して繁栄を極めた大英帝国の象徴でした。1837年より63年間在位し、エリザベス2世に次いで2番目の長さを誇る女王の名は、公園や博物館、ケーキ(関連記事)にいたるまでつけられ、イギリス中ヴィクトリアだらけです。

それどころか殖民地時代の名残で、イギリス国外でもその名がついたものは多数あります。今回はそんなヴィクトリア女王の名に由来した、ロンドンの駅とその周辺情報についての紹介です。

※以下は他媒体に掲載中の記事から転載(自著)した、過去のものです。noteには私の個人的な記録として一部割愛、再編集(くだけた文調や写真のキャプション、絵文字など)したものをお届けします。フルバージョンの原文はこちらをご参照ください(2022年8月15日執筆分)。

地下鉄が走っていないロンドン近郊在住者にとって、乗り換えで都心部につながる在来線のターミナル駅はとても重要な存在です。

わが家でも仕事、ショッピング、レジャーなどで都心部に出る場合、ロンドン・ブリッジやロンドン・ヴィクトリア駅までまずは出ることが多いです。

「ナショナル・レール」は国鉄にあらず

ロンドンで2番目に大きな鉄道ターミナルであるヴィクトリア駅には、地下鉄とイングランド南部を結ぶ在来線のほかに、ロンドン第2の規模を持つ国際空港ガトウィックに向かう直通特急列車「ガトウィック・エクスプレス」と市バスのターミナルもあります。

ガトウィック空港行きの特急電車は赤がブランドカラー

通称“チューブ”と呼ばれるロンドンの地下鉄表記はUndergroundですが、在来線はナショナル・レールといいます。

左手の看板、上のマークが地下鉄、下の矢印のマークが在来線鉄道のロゴ

“国鉄”のように聞こえますが、1993年の鉄道法により旅客列車運行は民間企業にフランチャイズ化され、20数社の民間会社が運行を継承しました。1997年の民営化完了後は、各社とも「ナショナル・レール」の統一ブランド名を使っています。なお、国鉄のブランドロゴ「ダブル・アロー」は、現在も変わらず同じものが採用されています(参照:“History of British Rail” rail.co.uk, 2017.)。

イギリスの渋谷?!

個人的には、ロンドン・ブリッジ駅が西側にビジネス街の連なる東京の新宿駅のようなイメージである一方、ヴィクトリア駅はショッピングなど繁華街が広がる渋谷駅といったイメージです。

ピカデリー・サーカスにある右奥の黒い「アンテロス(エロス)像」周辺は、
「ハチ公前」同様、待ち合わせ場所にピッタリ

正確にいえば、“イギリスの渋谷”とも例えられる繁華街はピカデリー・サーカス駅なので、ヴィクトリア駅周辺は“渋谷方面エリア”が妥当(ちょっと遠いかな・・?)かと思います。あるいは関東近郊都市と東京を繋ぐ、上野駅(渋谷と全然違うではないか😅)とも例えられています。

手頃で充実した駅ナカ店舗

高い天井と広い敷地で開放感がある駅構内は、大きく3つの区間に分けられています。正面入り口から進んで手前の駅舎がドーバーやケント州(関連記事)各地へ向かうホーム、ガトウィック・エクスプレス乗り場があり、広場のように四角く開けチケット売り場や公衆トイレ、ベンチなどがある中央エリア、そしてさらに奥にあるのがブライトンなど南方面への列車が出ている駅舎です。

日本でもだいぶおなじみ?「ホテルショコラ」

ロンドン・ブリッジやフランス、ベルギーなど、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ高速鉄道「ユーロスター」が出ているセント・パンクラス駅には、どちらかというと高級ブランドが並びますが、ヴィクトリア駅にある駅ナカ店舗は「クリスピー・クリーム・ドーナツ」や「わさび」といった日本食チェーンなどのカジュアルな飲食店からキオスクの「WHSmith」、お土産にぴったりのチョコレート店「Hotel Chocolat.」など、手頃な値段で満足できるショップが充実しています。高級スーパー「M&S」の小型店も、2ヵ所にあり便利です。

駅ビル的な「ヴィクトリア・プレイス」

さらにガトウィック・エクスプレス発着ホーム右側のエスカレーターを上がると、「ヴィクトリア・プレイス」というショッピングモールがあります。下層にはドラッグストアの「Boots」や日本にも出店している人気の「Lola’s cupcakes」、ヘアアクセサリーの「claire’s」といった商店があり、中級スーパーの「Sainsbury’s」も入っています。上階にはフードコート形式のファーストフード店が並ぶので、注文方法にも迷わず小腹を満たすことができます。

周辺の観光地

ヴィクトリア駅はその名が示すとおり、ヴィクトリア女王の在位中に落成したことにちなんでいます。バッキンガム宮殿最寄り駅のひとつであることにも納得です。宮殿までは正面出口を出て、左手にあるバッキンガムパレス・ロードを右に曲がり、道なりに8分ほど進めば到着できるので比較的わかりやすいです。

安全上の理由で、現在は国旗をもう出していない模様の在英日本大使館

 宮殿横のグリーン・パーク公園を通り抜ければ反対側はすぐに日本大使館、左に向かえば8つある王立公園のひとつである、巨大な都市型公園ハイド・パーク、右に歩けばロンドン随一の繁華街ピカデリー・サーカスや中華街があります。

ヴィクトリア駅を挟んで宮殿とは逆のエリアには、世界の名だたるブランド店や高級住宅街が広がるスローン・スクエア、テムズ川を渡ってさまざまな催し物が開かれるバタシー・パーク(関連記事)、駅正面出口を右に行けば美術館のテート・ブリテンなどがあるピムリコまで歩けます。

コーチとは長距離バスを指す

また、イギリス最大の長距離バスターミナル「ヴィクトリア・コーチ・ステーション」へは、上で紹介したヴィクトリア・プレイスのモール内を通り抜け、信号を渡ったところにあります。

ほかに女性やオジサンも皆揃いの格好で、オッシャレ〜😍な案内人さん(1番左)

地下鉄入り口近くにある観光案内所 (Visitor Centre) では無料の市内地図やバスマップをもらえ、建物の外ではスーツと革靴、頭には案内板と同じデザインの帽子をのせ、全身を黒に身を包んだ案内人が親切に声をかけてくれます。

このようにどこへ行くにも便利なヴィクトリア駅、イギリス旅行中にお世話になる可能性、大ですね。

London Victoria Station
URL: https://www.networkrail.co.uk/communities/passengers/our-stations/london-victoria/

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