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#225 年金、給付減に目配り
こんにちは
tatsuyaです。
本日は、「年金制度」についてのニュースを紹介したいと思います。
年金、給付減に目配り 厚労省が3つの改革案 基礎年金3割底上げ・高所得者の保険料増・働くシニア減額緩和
厚生労働省は25日、年金制度を巡る3つの改革案を示した。厚生年金の積立金を使い、将来の支給額の目減りが見込まれる基礎年金を3割底上げする案や、働くシニアの年金減額を和らげる方策を盛り込んだ。給付水準の低下への対応に主眼を置いた。保険料算出の基準となる「標準報酬月額」の上限引き上げ案も示した。
今のままでは基礎年金の水準は今後大きく下がる。長期的に経済状況が横ばいのケースでは、2057年度にかけて現在よりも実質3割目減りすると厚労省は見積もる。
賃金・物価の上昇よりも支給の伸びを抑える「マクロ経済スライド」(きょうのことば)が長く続くのが背景にある。自営業者や上乗せの厚生年金が少ない低所得の会社員は老後生活への影響が大きい。
財政が比較的良い厚生年金は抑制措置が近く終わる。そこで厚労省は厚生年金の抑制期間を延ばして、浮いた財源を基礎年金に回す方針だ。基礎年金の抑制を36年度で終わらせることで、実質目減りは1割にとどまる。現行制度の見通しからは3割の底上げになる。
厚生年金の人が受け取る基礎年金も底上げされる。厚生年金加入者は基礎年金に加えて現役時代の収入に応じた厚生年金を上乗せで受け取る。基礎年金の底上げで、厚生年金受給者の99.9%は受給額全体が増える。
基礎年金の財源の半分は国が賄うルールがある。基礎年金を底上げすると、税を財源にした国庫負担も増える。厚労省の今後約100年間の試算では、基礎年金部分には厚生年金の積立金65兆円のほか、総額70兆円の国庫負担が必要になる。
受給総額で見ると厚生年金は65兆円減る一方で、基礎年金は135兆円増える。保険料は変わらない。
導入に向けた課題の一つは国庫負担額の調達だ。厚労省の試算では最大で年2.6兆円になる。消費税率にすると約1%分だ。政府は基礎年金の底上げに向けて安定財源を確保していく方針だが、具体策は先送りした。
抜本的な制度改革は今回も先送りされそうだ。そもそも基礎年金の水準が下がりすぎた背景には制度の欠陥を長年放置してきた「ツケ」がある。
賃金・物価の下落局面では「マクロ経済スライド」の抑制措置を発動できず、長引くデフレにより抑制措置は04年の導入以降で5回の実施にとどまる。基礎年金は導入時の見通しに比べて「もらいすぎ」の状態が続いてきた。
これが基礎年金の財政悪化をもたらし、抑制措置が長期化して、将来世代の受給額が大幅に下がる見通しになった。
厚労省は今回も、デフレ下で発動できないルールの改正は見送る方針だ。
厚労省は同日、厚生年金の保険料算出において基準となる「標準報酬月額」の上限を引き上げる案も示した。
厚生年金の保険料は月収水準によって32段階に区切った「標準報酬月額」に18.3%をかけた金額を労使で折半する仕組みとなっている。現在の標準報酬月額の上限は65万円で、本人の保険料は月5.9万円となる。
月収が150万円でも1000万円でも、上限は65万円なので負担する保険料額は変わらない。上限は平均給与の2倍程度を目安に設定されている。
25日の年金部会で厚労省は、等級の上限の引き上げ額について、75万~98万円と、4通りの案を示した。
上限を引き上げると対象者は払う保険料が増える一方、老後に受け取る年金額は増える。厚生年金財政が安定する効果も期待できる。
今の上限の65万円が75万円に引き上がった場合、賞与を除く年収換算で798万円以上の人の保険料負担が増える。上限に該当する人は月9000円増となる。
働くシニアが増えていることを踏まえ、厚生年金と給与収入の合計額が一定水準を超えた人を対象に年金を減額する「在職老齢年金制度」の仕組みを見直す方針も打ち出した。
現在、賃金と厚生年金の合計額が月50万円を超えると、厚生年金が減額されたり支給ゼロになったりする。厚労省は25日、基準額を62万円ないし71万円に引き上げる案と、廃止する案を示した。同制度は稼ぐほどに年金が減る仕組みのため、シニアの就労意欲を阻害している側面があった。
減額を縮小・廃止すると現在の高齢者が受け取る年金は増えるが、年金財政の悪化を通じ、将来世代の受給水準の低下につながる。
標準報酬月額の上限引き上げが同時に実施されれば、財政への悪影響は緩和されることになる。
同日開いた審議会で標準報酬月額の上限の引き上げと在職老齢年金の縮小方針は大筋で了承された。
年金制度の3つの改正案
①基礎年金の底上げ
受給額が増える一方、国庫負担増による財源の確保が課題
②標準報酬月額の上限引き上げ
受給額が増える一方、高収入者の保険料負担増。
③在職老年年金制度の見直し
シニアの働く意欲を高めるが、将来の受給水準低下が懸念される。
以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
それではまた、次回お会いできれば嬉しいです。
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