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落伍者の切なる願い

「人生の荷物」を抱えていた
それらの降ろし方も、上手い背負い方も分からずじまいで
どんどん増えていく荷物は一人では抱えきれなくなった
貧弱な足腰では歩けなくなって、重い荷物を抱えながらその場で動けなくなった
落伍寸前の私を尻目に人々はどんどん先へと道を進んでいく
平然と通り過ぎてゆくその人々に助けを求めることは出来なくて
ひとり、崩れ落ちた
力尽きて、こうして潰れている
人々は私を残し、遠く離れていった
同年代の背中はもう見えない
自分より下の年代が次々と私を踏み越えていく
無情に過ぎていく時の流れの中で無駄に年を重ねるだけの私は
荷物の下敷きになったまま、ただひたすら死を待ち遠しく思う

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