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伝言ゲームと予想外の発明品が楽しい「あながち発明団」

 最近図書館で借りた本の中で、一番子供たちの反応が良かった本が「あながち発明団」です。


 読み終えた後しばらく、「ねえ、次の巻は?」と熱心に聞かれました。残念ながらまだ1巻しか出ていないようなのですが、かなり面白かったようです。
 

 そこで、今回は幼年童話「あながち発明団」を少しご紹介したいと思います。

 本に登場するのは、ドクターナグマーをリーダーとするあながち発明団のメンバーと、発明団に相談をもちかけて発明品を作ってもらう動物たちです。


 あながち発明団は、ペンギンやバクなど、他の動物からのお悩み相談を受けてオーダーメイドで発明品を作り上げます。ただし、そこには1つ問題が。


 団員チュウモンキキーがお客さんと話して作る発明品を決めるのですが、実際に作るドクターナグマーは地下の奥深くにいるのです。そのため、彼に発明品の注文が届くまでには、必ず6匹の団員たちが伝言ゲームをしなければなりません。

 依頼内容がドクターナグマーに到達する時には、元の内容から見る影もなくなってしまいます。しかし!元の依頼品と完成品が全く違っても、使ってみた依頼人は最終的に「あながち、わるくない。」と満足してつぶやくことになるのです。

 この、「誰かからの発明依頼→6匹の団員による伝言ゲーム→ドクターナグマーが発明品完成→あながち悪くない完成品に依頼人満足」の流れに子供たちはハマったようでした。


 何より、「ペンギン」→「へんしん」など、伝言ゲームで言葉がどんどん変わっていく面白さ。そして、その結果出来上った予想外の発明品とキャラクターたちのわちゃわちゃが絡まり合って、非常に楽しめる1冊になっています。



 全く知らない方だったので調べてみたのですが、作者のつじおいっぺーさんは、絵本作家さんではなく「珈琲牛乳のグラス」などを手がけているデザイナーさんでした。
辻尾一平(@keltoto)さん / X
 デザイナーさんの面白いアイデアを、親しみやすい挿絵と組み合わせた新しいタイプの幼年童話と言えるかもしれません。


 こちらの第1巻が出たのが2023年11月です。背表紙には①と表示されており、今後続巻が出る可能性は高いと思います。
 いつ出るかは分かりませんが、続きを子供たちと一緒に楽しみに待とうと思います。
 

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