私は手話通訳士になりたかった
「星の金貨」や「愛してると言ってくれ」のドラマで手話というものを知った。
手話に興味を持ちつつも勉強の仕方が分からずに時が流れ、手話というものを忘れてた頃に、友達から地域で行っている手話サークルに誘われた。
自分が普段使っている以外の言語を覚えるのが楽しくて、もっともっと覚えたい、話せるようになりたいと手話通訳者養成講座にも通った。
ボランティアも沢山して仕事以外の時間を手話に注いでいた。
ろう者の役に立ちたい。自分に出来ることを頑張りたい。と、夢中になっていた。頑張っていた。
手話通訳者を目指し勉強する若い人は希少なので、周りに期待されるのも嬉しかった。
まずは手話通訳者になって、その後に手話通訳士(国家資格)になりたい。と目標と夢があった。
ろう者と日常会話や手話で冗談を言えるくらいにはなっていた。仕事ではない通訳もしていた。
しかし、あと一歩で手話通訳者の試験を受けられるぞ!という時に、家庭の事情で勉強を辞めることになった。
手話通訳者になってもそれだけでは生活ができない。メインの仕事をしながら空いた時間に通訳の仕事をすることになる。
実際、手話通訳者は主婦の方が多かった。メインの仕事も辞めて収入が無くなるので一旦、手話の世界からは離れるけどまた戻ってこようと決めた。
あれから何年も経つがまだ戻れそうもない。趣味として手話サークルに通う余裕もないのだ。
理想としては平仮名、カタカナを覚えるように、手話も国民全員が自然と覚えて常用してくれたら。
だって手話ってとっても便利。
窓を開けなくても会話ができる。水の中でも会話ができる。静かな空間でも会話ができる。
当時、ろう者の男の子と話したくてテレビ電話ができる携帯を買ったのはまた別の話。