【訳詩】かっては恋人同士だったのに
ロバート・グレーヴス
かっては本当に愛し合っていたのに
今では友達以下だ
これほど男を苦しめる女がいるだろうか
私も誠実ではなかった
彼女は誠実に見せようとさえしなかった
神様が彼女を許してくださいますように
ああ、私は許せる
日本ではあまり知られていませんが、ロバート・グレーヴスは20世紀のイギリスを代表する文学者の一人です。詩と小説、評論の分野で歴史に残る作品を残しています。
2、3年前に読んだ彼の自選詩集(下に画像をアップしています)を読み返したら、やっぱり良いと思ったのでいくつか訳してみました。これはその中の一つです。短いのであっけない気もしますが、凄みを感じます。特に最後の一行にぐっときます。男女の愛憎は理性では割り切れませんね。
この詩集は、よく行く地元のブックオフの洋書コーナーで見つけました。108円で買えたのでラッキーでした。1976年の本で古くて傷んでいますが、グレーヴスの肖像画が表紙になった趣のある本です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?