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世界から家族が消えたら

村田沙耶香さんの「殺人出産」「消滅世界」を続けて読了

夫婦がセックスをして子どもを産む時代が終わり、人工授精によって妊娠、出産するひとと、「産み人」という、10人産んだら1人殺しても許される人になったひとが子どもを産み、希望するひとが育てるようになった世界の話と、
ひとだけでなくアニメや漫画の世界のキャラも性的対象になり、夫婦間での性的行為は近親相姦といわれて忌み嫌われ、結婚の定義が揺らぐ中、実験都市では住人みんなが「おかあさん」として、住民の人工授精により産まれた子どもたちは世界の「子どもちゃん」と呼ばれて全員に育てられる世界の話

設定がものすごく過激にも思えるけど、リアリティがすごくて、もしかしたら未来にそんな世界ができるかもしれない、そんな気にさせられる物語だった

なんのために結婚するのか

結婚は、安心、だとわたしは思っている
信頼できる家族と一緒に暮らすことで得られる安心感は、他の何にも代え難い

だけど元々他人だったひとと家族になるためにスキンシップはとても大事だと思っているから
それを排除した生活で、家族になれるのか、わからなくなる

小さな集団としての家族が消滅して
世界全体が大きな家族になったとき
しんどいときに頼れるひとができるのかな

みんなの子どもちゃんとして育てられた子は
いろんな遺伝子を持っているのにみんなみんなクローンみたいにそっくりで
孤独や寂しいといった感情をしらないまま育つ
ある意味では平和なのかもしれない

どんな世界なんだろう

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