電子レンジのない生活
友達が自宅に遊びにきた時、
便利なもの大好きな子なのに、「電子レンジ処分するけどいらない?」と聞かれて、
はじめて電子レンジを処分するっということを考えるきっかけができた。
いままで、電子レンジはなんか良くない、とは感じていて、
主に冷凍したごはんを温めるのにしか使っていなかったけど、
ある本から得た知識では食べ物の栄養が破壊されたり、発がん物質に変化したりするらしい(!)。
そんなこと、お店の人もメーカーも言っていないけど、
なんとなく、この中には絶対に入りたくない!って感じるから、
それで調理したものもそりゃあ良くないよね、と思う。
でも生まれた時から家にあったもので、捨てるという選択肢は思いつかなくて、
「磁性鍋」という有害な電磁波やマイクロウェーブをカットしてくれる、
レンジ専用鍋に入れて解凍することでお茶を濁していた。
でも、友達の一言から、
「シンプルな生活に、ごはんを温めるだけの機械が必要?」と自分に問いかけ、
・ごはんは毎度炊き立てを食べたら良い
・難しい場合は蒸して温める
ということに決めた。
(キッチンには、電子レンジと磁性鍋のスペースが空いた♡)
すると、思っていもいなかったことだけど、
ものすごく快適で、電子レンジがあったことなど一瞬で忘れたのである。
まず、
強い電磁波を浴びていたことが、なくなって初めてわかった。
レンジ使用中のブ〜ンという音は、本当に波のように体に伝わっていて、
痺れる、とか舌がケパケパする感じ、は気のせいではなかった。
そして、レンジがないことによって炊き立てのごはんを食べることができるようになったことで、幸せな日が増えた。
ごはんを炊くのは、15年ぐらい前から鍋(ル・クルーゼ or かまどさん)だったが、
炊き立ての美味しさは炊飯器とは比較にならない。
(これまた、ごはんを炊くだけの機械はスペース的にも役割少なすぎ、という理由で持っていない)
三合ぐらい炊いて、一食分ずつラップして冷凍するのが◎、という知識が蔓延しているので自分もそのようにしていたが、
じつはあんまりごはんが好きでなくて、
1ヶ月に六合ぐらいしか食べていなかった。
日本人たるもの、体質にあっているし、
お米を育てて食べることは水を守ることにもなるし、けしからんことだけど、
やっぱり解凍したごはんは意識せずとも食指が動くものではなかったようだ。
それが、レンジを捨てて解凍をする、という概念が消えてから
毎回一食〜二食分を炊くことで、
逆にごはんを食べる機会が増えた。
おいしくって、とりあえずご飯があればなんでもごちそう★となったのである。(ついでに、お味噌汁もよく作るようになって体の調子もいい)
二膳分を1〜2日で食べ切る場合、
二回めのごはんはせいろで蒸して温める。
このとき、ラップだと溶けてプラスチックな香りのごはんになりそうだから
ホーローのタッパー(ふたなし)であたためるだけ。
電子レンジで強制的にホカホカになったごはんに比べて、
ムチムチして優しい色白美人のような仕上がり。
ラップのゴミが出ないのも、地味に快適である。
温めるときに、ほうれん草も一緒に蒸したり、蒸し卵やふかし芋を作っておくと、
おかずやおやつも同じコストで作ることができる。
うちはせいろが2段あるので、
2段目には、お魚+調味料+野菜をお皿にのせるだけでメインの一品も同時に作ることができる。
本当に、なくても全く困らない、
2021年捨ててみてよかったものNo.1なものであった。
電子レンジさん、いままでありがとう。
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松本なつき
シルクのアンダーウェアブランド「Puntoe」と「ニュアラ」のディレクター
瀬戸内の小さな島に2020年移住し、京都との2拠点生活中。
植物採集や染め(ニュアラ染め)にはまっている。
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