スタイル
エスプレッソカップにしてもカプチーノカップにしても、取っ手に指が入らないって思ったこと、ありませんか???
このイタリアエスプレッソ協会の公式カップに至っては、ほぼ穴も空いてません。
イタリア人にとって、とても大切なもの。
ものというか、考え方という方が正しいのかも知れません。
それが
Bella figura
直訳すると「美しい形」みたいな感じ。
これは、ただ単に美術品云々が美しいとかではなく、なんかもっと社会的に、生きていく中での美しさ。
これ必要?みたいなところでカッコつけようとしたりするんですよね。
美しいですよねー。
この手元が、ね。
手元も、かな。
指が入るようなカップだと、どうしても握りしめるような感じになってしまうんじゃないかと思うんです。
指があえて入れられないことで、掴んでいない小指の先までぴーんと神経が張り詰めた感じがして、客観的に美しく見える。
あと、この微妙な持ちにくさから、手元にグッと力が入ることで、すぅーっと背筋が伸びませんか?
指先だけでなく、カウンターに立った時に全身を通して美しく見える。
その為に、エスプレッソカップやカプチーノカップには指が通るような穴が空いていないんですね〜。
持ち易さ<客観的な姿、この感じが正に「Bella figura」
そんな時、やっぱり僕はパリッとした格好でお迎えしたい。
それでお客さんの背筋は伸び切るんじゃないか、と思うから。
シャツにベスト、時にはジャケットを着たり。
イタリアの老舗なんかに行けば、燕尾服の人もいたり。
これもまた、動き易さは後回し。
Bella figura
イタリア文化に触れる時、この言葉を思い出してみてください。
効率だけが全てじゃない、生活の中の心の豊かさというものに出会えるはずです。