【1日1文献】身体障害を有する地域在住高齢者における作業的挑戦,作業参加,作業機能障害,抑うつ,健康関連QOLの構造的関連性の検証#抑うつ#QOL#作業的挑戦

参考文献:身体障害を有する地域在住高齢者における作業的挑戦,作業参加,作業機能障害,抑うつ,健康関連QOLの構造的関連性の検証
筆者:諸星 成美京極 真
発行日:2019年
掲載元:作業療法 38 巻 (2019) 3 号
検索方法:インターネット
キーワード:作業抑うつ健康関連QOL地域在住高齢者(作業的挑戦)

【抄録】
・本研究では,身体障害を有する地域在住高齢者164名を対象に作業的挑戦,作業参加,作業機能障害,抑うつ,健康関連QOLの構造的関連性を検証した.
・方法は横断研究を用い,仮説モデル1(作業的挑戦が作業参加を促進し,作業機能障害を軽減し,抑うつを改善する),および仮説モデル2(作業的挑戦が作業参加を促進し,作業機能障害を軽減し,健康関連QOLを改善する)を共変量の有無で評価した.
・その結果,いずれも共変量なしの仮説モデルが採択された.作業的挑戦は作業参加を促進,作業機能障害を軽減し,抑うつや健康関連QOLの改善に関与した.
・作業的挑戦への介入は,身体障害を有する地域在住高齢者の抑うつや健康関連QOLを改善する可能性がある.

メモ
・日本の高齢化は世界の中 でも上位にあり,要介護者になる可能性が高い高齢者 の人口増加への対応が課題である2).高齢者は身体的 な衰えに加え,情緒の不安定や配偶者の死など途切れ ることのない様々な課題に直面する3).
・また,それら をきっかけとして社会参加が減少し,不安や自信喪失 により孤立や閉じこもりに至る傾向がある4).

・作業療法の役割は,作業機能障害を改善させること であり,作業機能障害の改善には作業参加が必要であ る5).
・作業機能障害とは,生活行為が適切に行えず, ネガティブな経験をしている状態である6).
・作業参加 とは,意味のある活動への従事である7).
・作業機能障 害の改善は,抑うつの軽減や健康関連 QOL の向上に 関与することが示唆されている8).
・加えて,健康な中 高年者や地域在住高齢者を対象に,作業参加が well-being や生きがい,健康関連 QOL に肯定的な 影響を与えることが明らかになっている7,9).
・つまり, 作業参加によって作業機能障害を改善すれば,生活と 健康状態に変化をもたらすと期待できる.

・こうした作業参加は作業的挑戦によって生じる10). 
・作業的挑戦とは努力や工夫が必要であるものの,取り組む必要のある生活行為である.
・つまり,クライエン トにとって努力が必要であるものの,“したい”かつ“する必要がある”作業に取り組む状態や,取り組み たい気持ちである10,11).
・この作業的挑戦が作業参加を 促進し,作業機能障害を改善させる出発点となる10~12). 
・高齢者は不安やリスクを感じながらも,作業的挑戦に より作業に参加することで,日々の暮らしに幸福を感 じやすくなる3)
・他方,作業的挑戦が適切でないと, 作業にうまく従事できず憂鬱や社会参加の減少につな がる13).

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/38/3/38_294/_pdf/-char/ja 

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