ぷらぷらり日記 2021.11.15 船岡山/船岡温泉
そうだ、京都に行こう。昨日、起きた瞬間にそう思いました。起きたの昼の12時半なんですけど。
なかなか良い感じの目覚めだったので、ルルルという気分で窓を開けてサザエさんを呼んでみようと試みましたが、うちはマンションなので明るい窓のお向かいさんは存在しませんでした。ニコニコ顔出す愉快な家族はいませんでした。ていうかサザエさんちにもお向かいさんいなくね?
などと、火曜日のサザエさんを知らない若年層の方を置いてきぼりにしながら、京都市営地下鉄の鞍馬口駅を下りて、ひさしぶりの京都のまちへ。実はワクチン接種会場が京都だったので、8月に一度きているんですけど。
以前に行ったことがある場所だったので、ろくに地図も見ずに歩くこと10分ほどで、なにかおかしいと察知。紫明通を逆方向に歩いていたことが発覚。
紫明通という道の名称は知っていたし、このあたりを歩くのは初めてではないのですが、大きな通りの真ん中にあるこの細長い公園が紫明せせらぎ公園なる名称で、なおかつ紫明せせらぎ公園が紫明せせらぎ第七公園まで存在するということは今日はじめてググって知った。……それをググったのは第四公園のベンチでのこと。
まあこれはこれで、いい感じの紅葉が見られたので悪くないでしょう。とポジティブに捉え、今日の目的地へ。
鞍馬通は実にわかりにくいので(正確にいえば堀川鞍馬口の交差点がかなり歪んだ形状で初見殺しなせい。まあ自分はここ初見ではないのですが)、あくせくしつつ、なんとか入り込めました。
そこからずーっと歩いてしばらく、後述のさらさ西陣と船岡温泉を見送って、なんてことのない十字路を右に曲がると、視界はこんな感じに。
フツーの住宅地の中にありますが、船岡山というところへの入り口です。なんでこんなところに山があるのか?って、山がもともとあったところに人が家を建てたんですわな。
山ということでそれなりに気を張っていましたが、なんか10分も歩かないうちに頂上に辿り着いてしまいました。
標高112メートルと低い山ですが、眺めはなかなか良いです。
このくらいの距離と緩さなら、足の悪い方でも頑張れば辿り着けるかも。実際に、近隣の介護施設での運動コースになっていたり、この山でハイキングする集まりがあったりするそうです。
ちょっとした散歩にちょうど良さそうです。近所にこういう山がほしい。ただ、頂上付近にトイレがないので、先に済ませておいたほうが賢明。なんかトイレっぽい建造物はあったんですが、中が空洞になっていて現在は使われていない模様。
船岡山の中腹には建勲神社という、織田信長公が祀られている神社があります。
なんともまあ荘厳な面構え。明治43年からここに存在するとのこと。
この建勲神社を含めて、船岡山の全体が国指定の史跡として登録されています。
山を下りてから5分以内で行けてしまう、今日のふたつめの目的地、船岡温泉。
大正12年の建築であり、もともとは船岡楼という名前の旅館であったという。当初は煉瓦造りだったが、昭和7年に鉄筋コンクリート製の現在まで続く浴場が完成。
第二次世界大戦中は窮乏に見舞われたものの、昭和22年に公衆浴場として営業を再開し、外観や庭園などは旅館時代のものを残したまま。なので実に豪奢な銭湯となっています。
マジョリカタイルの内装を見ていると、なんとなく自分が貴族になった気分になる。
こちらもまた、国登録有形文化財です。看板の手書きっぽさがなんともいえない味を醸し出していますが、本当に国が認めた文化財。
日本で初めて電気風呂を導入した銭湯としても知られています。
が、ここでいちばん心に残るのはやっぱり露天にある檜風呂だと思います。鯉の泳ぐ庭園を背景に、木の香りがする豪勢な浴槽に浸かる。風雅という言葉が相応しい。450円でこんなとこに入って良いのやら。
外観や脱衣場こそ昔の風情そのままですが、浴室内は現代的に改装されています。古いからといってボロいことはありません。こんなふうにテレビが視られる休憩処もちゃんと用意されています。
船岡温泉から徒歩5分ほどの位置にある、さらさ西陣というカフェ。
ここはもともとは藤ノ森温泉という銭湯だったそうですが、1998年に閉業したのちにカフェに改装されたそうです。船岡温泉と同じ唐破風の屋根は迫力があります。
このあたりは紫野という地域ですが、京都市内でも屈指の銭湯激戦区で、ここから1キロ前後の範囲内に明治湯、大宮温泉、むらさき湯、金龍湯、門前温泉、紫野温泉、大徳寺温泉があります。この周辺に住んでいる人は選び放題。
かつては先述の藤ノ森温泉のほか、コミュニティバス朝日、北野温泉、安来湯、桃の本温泉というところも存在したらしい。
いいなあ。船岡温泉だけでもおなかいっぱいですわ。
サウナはたのしい。