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第3回コラボ祭り参加作品【マンガ】新感覚!萌えギャグSFグルメまんが「消防警察アンレルップ」【小説】【正義】


………と、いう内容のマンガを、複数の出版社に送った。


出版社Aの編集者は、こう言った。

「うーん。コレ、漫画なの?漫画なら、漫画の手法ってもんが、あるんちゃうの?」


出版社Bの編集者は、こう言った。

「ふざけんな」


出版社Cの編集者は、こう言った。

「キミ、疲れてんの?」


出版社Dの編集者は、読みながら、原稿をビリビリに破った。


出版社Eの編集者は、ここには書けない単語を言った。俺は気が違うらしい。



子供の頃、「漫画家になる方法」の類の本を、貪るように読んだ。雲形定規や羽箒なんて、専門用具も、少ない子供のお小遣いで集めたりした。

マンガ雑誌に投稿したこともある。実は、2次選考まで残っていたこともある。

だから、一般的なマンガの手法は、一応は知っている。

でも、残念ながら、俺は技術はたいして持ってはいない。手先が器用なわけではない。

また、受けの良さそうなものを狙って描ける才能もない。

また、出版社の方々と上手にコネクションを作れるようなコミュニケーション能力があるわけでもない。




ただ、自分でさえもよくわからない、心に秘めた感情がある。

その感情を、なんとかして、ぶちまけたい。無価値なものではないと、なんの根拠もないのに、自分に自信のない俺が、それだけはいつも心に秘めている。


そして………、


その感情の表現方法は、別に、なんだっていい。こんな、体裁をぶっ壊したような、めちゃくちゃな表現方法でもいい。

もちろん、技術も、知識も、素敵だ。それによって培われ、築き上げられた作品は素敵だ。生き様も素敵だ。かっこいい。うつくしい。いさぎよい。

憧れてしまう。時に羨んだり、妬んだりもしてしまう。




しかし、ならば、……………。


逆に、「感覚だけで創られたもの」「情動で創られたもの」「その場の雰囲気によって創られたもの」は、無意味なものだろうか?

物事の受け取り方は、多種多様。肯定も否定も、すべての意見に価値がある。だから、誰かを貶めたいわけじゃない。

ただ……………既存の形式に則った表現「だけ」が、絶対にいつも、「正義」だと、もし、あの編集者たちの価値基準が、もし、それ「だけ」だと、したら…………。



俺は、そんな形にはまったものしか認めない、他人が勝手に固めた基準は、「クソつまんねー」と思ってしまう。



そんなことを思いながら、俺は自分の描いた原稿を、改めて読み返した。



……………………………………一番クソつまんねーのは、俺だ。ちっぽけな、俺だよ。


「ユー・エフ・オー」だの、写真を取り込むだの、大馬鹿者だ。あと最後のコマ、説明くさすぎるよ。クソつまんねー。


でも、そのクソつまんねー自分は、意外と嫌いじゃない。きっと、それが、俺の中での忠誠であり、正義だ。



昔、こんなこと言われたよ。


「おまえは、心で考えてる」



………………………………………………


少し考えすぎた。考えすぎると、小腹が空く。




カップ焼きそばでも、食おう。ラジオニュースでも聴きながら。なんだこのキャスター、変な奴だなあ。変態じゃないのか。



(このおはなしは、フィクションです。読んでくださって、本当にありがとうございます。作中に一部、下品な表現が含まれていたことをお詫び致します。………そして、自分は本当は一平ちゃんが一番好きなのです!)


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