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短編小説1000字

100
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2024年1月の記事一覧

短編小説 ロックスター

「ああ、ブレてちゃんと撮れない」
 海斗が笑いながらスマホをゆらゆらさせているので比呂は画面を覗き込んだ。
「ムービーで撮ればいいよ」
 そのままムービーのボタンを押して、海斗の画面に映り込む。ピースをして、すぐにやめた。ピースは古いとおもったのだった。
「比呂さん、笑って」
 海斗は笑ったまま比呂を映す。比呂ははにかんだ。そして言った。
「今日のお前、忘れないよ」
「なんすか、それ」
 海斗はず

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