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豚の角煮、年末年始。

肉がジュージューと焼ける音、匂い

ネギと生姜を切る、トン、トンという音

生姜の爽やかな香り


母は毎年この時期になると、豚の角煮を作る

そしてそれは、大晦日の夕食から三が日まで食卓に並ぶ。

今はなくなってしまったけど、お正月に母の実家で開かれていた親戚の揃う食事会でも、母の角煮は並んでいた。


あまじょっぱくて、生姜の良く効いた角煮は、お米によく合い、ご飯にもお餅にもピッタリだ。


紐で縛られたブロック肉を、フライパンで面ごとによく焼く。ジュージュー、心地よい音が響く。

圧力鍋に醤油や酒などの調味料と、ネギ、生姜、肉を入れて、よく煮込む。部屋中に香ばしい匂いが広がる。

一緒に煮込まれた、薄切りの生姜は味がよく染み、とんでもなく美味しくなる。

手間と時間のかかる角煮は、音でも匂いでも楽しめる。


元々は食べる用じゃなかったその生姜を、
私はご飯で食べるのが大好きだ。

甘辛いタレをまとった生姜は、噛むたびに爽やかな香りがして、飽きがこない。


私はあまりお肉が得意じゃないけど、この角煮だけは小さい頃から食べられる。

外で角煮を食べても、生姜の良く効いた母の角煮を思い出す。
自分の好みの根底に「生姜」がいることを思い知る。


交通機関が混雑する年末年始に帰省するなんて面倒だと思っていたけど、
きっと来年、この角煮をタッパーに入れて持って帰るために帰省しているだろう。

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