見出し画像

猫がほしい #Xmasアドカレnote2019 (9日目)

師走はやることがほんとうにたくさんあって、目もまわる日々なのは言うまでもないのだけれど、そのなかでいちばん骨が折れるのは私の場合、サンタ業務だ。
特に長女が曲者。

長女のプレゼントのリクエストはちょっと癖が強い。
お誕生日もクリスマスも困難なことが多いのだ。
「ガム」と言われたこともあるし、「めばえ」と言われたこともある。
「セリアで売ってるスライム」だったこともある。
どれもチープが過ぎて、ダメじゃないけど絶句する感じ。
確かにどれも我が家ではあんまり買い与えないものではあるけれど、なんていうの、イベント感がなくて。

そして、こういうチープパターンの他に無理難題パターンが最近現れた。
去年は「ニフレルの売店に売ってたぬいぐるみ」だった。
ニフレルというのは大阪(我が家から車で2時間ほど)にある、水族館と動物園が一緒になったような、屋内施設。
そこに売っていたホワイトタイガーのぬいぐるみがほしい、それが彼女の去年のリクエストだった。
子どもの脳裏では当然、サンタさんは魔法が使えて、ソリで空を飛べる設定で染みついている。

寒い寒い北の国から来るんだもの、ニフレルのぬいぐるみくらいぴゃっと立ち寄って、ぴゃっと手に入れられるに決まっている。それとも魔法で同じものを作るのかしら。


長女はそんな具合にどこまでも思いを巡らせて、それはそれは楽しみにしていた。
そして、付け加えておくと、長女は非常に頑固な性格で、いったん決めたことをそう簡単に曲げてはくれない。
これは、もう、何とかするしかない。よね。

詳しいことは書けないのだけれど、結論から言うと、まあ、なんとか手に入ったのだ。
つまり、ニフレルが最高にやさしくて、子ども心を大切にする誠実で知的で豊かな考えをお持ちの施設である、ということ。お察しくださいね。

これには夫とハイタッチをする心地で大喜びした。
ホワイトタイガーが手に入ったことももちろんだけれど、それが誰かの優しさによって錬成されたプレゼントであるということ、そしておそらく向こう数年、彼女はサンタクロースを信じ続けてくれるに違いないと思えたこと、がうれしかった。
あんな遠い町のぬいぐるみなんて、サンタじゃなければ誰が届けてくれるというの。ねぇ。

*

さてさて、今年の話をしよう。
今年の彼女のリクエストは、「チープパターン」と「無理難題パターン」の2種類が見事に組み合わさっている。

① ダイソーにあったうさぎのぬいぐるみ(ピンク)

②子猫(生きてる)

のどちらかを所望だ。

ダイソーのぬいぐるみ(税込 330円)は最寄りの店舗では売り切れている問題と、どえらいチープさに誰も悪くないのに罪悪感を感じてしまう、というふたつの問題をはらんでいる。
いや、彼女がいいならそれでいいんだけど。いやでも、売り切れだしな。どうしたら。

子猫は、そりゃかわいいけれど生きているものはハードルが高すぎる。
そもそも私はちゃんと動物を飼ったことがないのだ。
姉と妹が重度の喘息だったので、実家では小鳥とかハムスターくらいしか飼ったことがない。
動物と一緒に暮らしたことがないので、どんな暮らしになるやら見当がつかないのだ。
正確には、唯一、学生時代に下宿していた親戚の家に猫がいて、2年ほど一緒に暮らした過去がある。けれど、私はその猫にずっと嫌われていて、彼女(猫)は私から隠れるように暮らしていたのであまり一緒に暮らした感じがしない。

犬とか猫を飼うことに免疫がなさ過ぎて、こわい。

なにがこわいって、免疫がないばっかりにどろどろに溺愛するような気がする、のがこわいのだ。

23歳くらいの頃に初めてちゃんとロールプレイングゲームをやったとき、まるで麻薬を覚えたみたいにやめられなくなってしまった。
明けても暮れても、ドラクエのことしか考えられなくなって、仕事が休みの日は1日中ドラクエをしていた。
こんな面白い遊びがあったのかと、震えるような心地だった。
いったんハマると、抜け出そうにも抜け出せなくなって、自分でも恐ろしかった。

大人になってから知らないものの味を覚えるのはとても危険だ。
お金も時間も際限なく使ってしまうもの。

もし我が家に猫がやってきたら、

パソコンを立ち上げたらごろんとキーボードに寝っ転がって、こちらを見るでしょ。
目が合って、うふふってなるでしょ。
「にゃー」とひと鳴きして、喉がごろごろなって、うへへってなるでしょ。
今日はまぁ、いっかってなにもしない日に認定しちゃうでしょ。
ペットショップに行けばじゃれる姿を想像して、ついついおもちゃを買っちゃうでしょ。
おいしそうに食べるお口を思い出して、ちゅーるをひとつまたひとつ、って買っちゃうでしょ。
少し家を空けては、帰るまでずっと「どうしてるかなぁ」って考えちゃって、帰宅したらまっさきに「ごべんねっっっ」て駆けよるでしょ。
ますます出不精になるでしょ。
お布団に一緒に入っては気持ちよくなっちゃうし、これはもう、毎日寝落ちするしかないよね、ってなるでしょ。
そして、最終的に見つめ合うたび、「この子が私より先に逝くかもしれないなんて、考えただけで生きるのがつらい」ってなって、季節の変わり目とか生理前とかにさめざめ泣くでしょ。


ね、最高すぎてまずいよね。

今の暮らしでなんとか保っているぎりぎりのバランスが崩壊するのがこわい。予想がつかなさすぎてこわい。

もう少し心身の準備ができたら、そのときは子猫を…と思う。

なので、つまり、今年はダイソーの税込み330円のぬいぐるみを手に入れなければいけない。ダイソーにお問い合わせしなくっちゃ。
なかったらどうしよう、そのときは子猫…になるのかしら。

こわいこわい。



​───────


昨日のゆみっぺさんのnoteはこちら。


すごいね、この企画、超いい考えだよね。お祭り感がすごくいいよね。
でもまさか、私が参加するなんて思ってもみなかったよ。
傍観する気満々だったよ。

さてさて、明日は誰でしょう?

鋭い目線とかわいいアイコン、お魚料理がお上手なあの方です。よ。
お楽しみに~!!

こちらのマガジンをフォローすると更新通知が来ます。ぜひに。

また読みにきてくれたらそれでもう。