ハネサエ.

11歳、9歳、6歳、3児のおかあさんとライター。読む人が痩せるエッセイばかり書いてます。おもに子育てのこと、たまに夫婦喧嘩。 子育て/育児/夫婦喧嘩/痩せる/大友/花男/豚コマ肉/三重県 お仕事のご依頼は sae1006t5※gmail.com (※を@に) まで。

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    書いたエッセイまとめ。 ほとんどぜんぶがざわざわしてる。

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とうきょうたろう

太郎がとうきょうを拾ってきたのは、8月の第3水曜日だった。 その日は月に一度しかない危険ゴミの日だったから、よく覚えている。危険ゴミっていうのは、使い終わったライターとか空っぽの乾電池とかそういうもの。 丸くて白い大きな卵みたいなそれは、太郎の腕の中で、薄く呼吸をしていた。ゆっくり上下する背中に触れると、柔らかくてぬるかった。 「それなあに」 「個室の中に落ちてから拾ってきた」 太郎は丸くて白い背中をゆっくり撫でた。 太郎は駅前のネットカフェでアルバイトをしている。

    • 山梨記とおまけの町田

      少し前に仕事で山梨に行っていた。 ここ数年お仕事をさせていただいているメーカーさんの新商品にまつわるインタビュー取材だった。 詳細は省くけれど、とりあえず私が特筆したいのは、山梨にはどでかい山があったということ。 ほんとうにそれはそれはでかい山だった。 「でかい」という言葉はこういうときに使うんだなとしみじみ実感するほど、ほんとうにほんとうに、それはそれはでかい山だった。 三重県の津駅から甲府駅は永遠に到着しないのかと思うほど、はっきりと遠くて、長野をひたすら抜けていく間、

      • お風呂の蓋ってなんなのさ

        この季節になると、お風呂の蓋のことばかりを考える。 新築のときにしつらえたお風呂には当然、お風呂の蓋がついていて、まっさらだったそれは9年の時を経て今、すっかり黒ずんでいる。 そういうものだし、そういうものなのだけど、何事においても汚いよりはきれいがいいし、我が家には年中通して来客が多いので、汚れが加速する梅雨時期は気になってしょうがない。 そもそもの始まりは、数年前に近所の子どもが泊まりに来たときだった。 客人のひとりが我が家の薄く黒ずんだ風呂蓋に視線を寄せて、 「うちは

        • 数字を追いかけるウィーク/日記(4月14日~20日)

          4月14日(日) 少し早いけれど、長女のお誕生日会をした。 昼間はお誕生日プレゼントを買うべく、100円ショップへ。 今年の長女のお誕生日プレゼントのリクエストが「100円ショップで好きなものを好きなだけ買いたい」だったのだ。 夢が詰まりすぎていて、こちらまでワクワクする。 セリアとキャンドゥをはしごして、目いっぱいの贅沢をした。 長女は今、レジンに猛烈にはまっているいるので、レジンの型やらビーズやらをモリモリ買っていた。 あとはスクイーズやスライムも。いつまで好きなのそれ

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        とうきょうたろう

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          お湯を飲んで、しっかり寝てよ

          【3月下旬のいつかの日記】 楽しみにしていた取材があって、朝なのにすこしご機嫌だった。 子どもたちを無事に送り出したし、きちんと顔も洗ったし、あとは着替えて出発という段になって電話が鳴る。 電話の主は、令和6年度の婦人会の役員のおひとりだった。 私は令和5年度の婦人会会長をしていて、引継ぎでちょっとした厄介ごとが発生していた。令和6年度で話し合うべきことだったので、その旨会議で述べたのだけど、納得のいかない人というのはやはりいる。 話の内容は省くけれど、まとめると、私はも

          お湯を飲んで、しっかり寝てよ

          小さいシルバニアと役に立つ機関車

          末っ子のお誕生日だった。 末っ子は3月生まれだから、小さいころからお友達のお誕生日を見送る1年を送っている。 学年が上がるたび、みんながお姉さんお兄さんになるのを見続けているせいか、きょうだいの誰よりも「おたんじょうび」を楽しみにしている。 何日も前から「あと〇日でお誕生日だ~」と恍惚とした表情で呟いていて、前日には「明日の朝起きたら一番最初は、お誕生日おめでとう、って言ってね」と私と夫に伝えてから眠りについた。 迎えた当日、朝からドレスを出すよう末っ子から命を受けた。

          小さいシルバニアと役に立つ機関車

          小僧とかPTAとかの2月

          2月もあっという間に終わってしまった。 1月はひたすら働いていて、2月は少しゆとりをもって楽しいことをしようと思っていたのに、気づけば瞬きと呼吸を繰り返しているうちに3月になっていた。 2月を無かったことにしないために振り返りを。 2月はとにかく息子の友達がよく遊びに来た1ヶ月だった。 カメラロールを見返すと、小僧たちがそこかしこに映りこんでいる。 私は常々、息子の声が大きいといろんなところで書いているのだけど、彼の友達も漏れなくみんな声が大きい。類は友を呼んだんだろうか

          小僧とかPTAとかの2月

          私だって走る師走

          頭の中がいと、うるさい。 どれだけ手を動かしてもやることが連綿とあって、これぞ暮らし、と思うと同時に、心が折れてしまうよ、とも思う。 私だけでもやることがたくさんあるのに、子どもたちに課されるあれこれは、同時に私の目を見てお伝えいただくこともたくさんあって、うっすらと胸に降り積もって気づけばずっしりと重みになる。 例えばピアノ。ていうか、ピアノ。 半年ほど前からだろうか。先生のレッスンが突如、熱を帯びてきた。 彼女にいったいどんな心境の変化があったのか知らないけれど、めった

          私だって走る師走

          三重県の地域ウェブマガジン【OTONAMIE】でエッセイを書きました。 私はよい町で小学生の気持ちで健やかに暮らしてるよってお話です。読んでね🌝 https://otonamie.jp/?p=89816

          三重県の地域ウェブマガジン【OTONAMIE】でエッセイを書きました。 私はよい町で小学生の気持ちで健やかに暮らしてるよってお話です。読んでね🌝 https://otonamie.jp/?p=89816

          ランニング教

          ずっと、ランニングをしたいと思っている。 とあるブログを私は長く愛読していて、その管理人の彼女が1年ほど前からランニングをしているのだ。 私は彼女が第2子、第3子にあたる双子を産んでからの読者で、彼女がまさかの4人目を妊娠した時も、めでたく出産した時も、仕事を始めた時も、陰ながら応援させていただいている。 その彼女が、長い長い幼児期の子育てが少しずつ楽になって、ランニングを始めた時の衝撃といったらもう。 4人もお子さんがいて、しかしどうやら配偶者は子育てにあまり積極的ではなく

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          夏ってだけで

          とってもアクティブな日曜日だった。 前日から、子どもたちは「明日はプールに行きたい」と言っていたので、夜のうちに洗濯を終わらせておいた。 さらに、最近は家の中が我が家にはあるまじき美しさをキープしている上に、日々学校の体育で彼らはプールに入っているので、プールセットも常にスタンバイしている。 つまり、朝食を食べさえすれば、とてもシンプルに朝っぱらからプールに行けるという段取りだ。 家が慢性的に散らかっているとこうはいかない。プールに行く前にやるべきあれこれに心を奪われて、し

          夏ってだけで

          走る春。土曜日の日記。

          「3月さえ乗り越えればなんとかなる」と踏ん張って、気がついたら「4月さえ乗り越えれば」と思う春を生きている。 4月はまだ上旬のはずなのにカレンダーを見ればきちんと折り返しているのだからほんとうにあらゆることが信用ならない。 目まぐるしく日々が捲られていくので、ああ、日記を書きたい書いておかないとすべて忘れてしまう、と思いながらも日々はバリバリと勢いよく消化されている。日記を書いている場合ではないのだよ、と焦りだけが先走るのでだからこそ踏ん張って日記を書く。落ち着け私。 *

          走る春。土曜日の日記。

          いつか南国にいる

          なんでみんな駄々こねて暴れてないの。すごくない? 今年とってもスーパースペシャル寒くない???私だけ????? 私はというと、寒さに動揺しているだけで一日が終わりそうなくらい寒さに打ちひしがれて生きている。 平常心を保っていられない。 いくら家の中を温めてもどことなく冷える足元とか、背中とか、さっき送迎の時に浴びた木枯らしとか、そんなあれそれがあまりにショックで疲れ果ててしまう。 先日、昼食を頂いた飲食店がべらぼうに寒かった。店内に入った瞬間に危機感を覚えるほど寒かった。

          いつか南国にいる

          お椀のうさぎ

          結婚前に京都で会社員をしていたころに、一度だけ陶芸をやった。 同じ部署の後輩が、陶芸教室の体験に行くというので、一緒に連れて行ってもらったのだ。 陶芸って聞いて、「ええ、やりたくない」と思う人っているんだろうか。 無条件に「たのしそう」って思ったりしませんか? 土をこねるとか、形をつくるとか、童心に帰るような感触をはらんでいるし、何よりよくテレビで観る、あのくるくる回るやつ、絶対やってみたい感じあるよね。ガラス工房で、長いストローの先っちょのガラスにぷうと空気を入れるのって

          お椀のうさぎ

          あれもこれも全部こわい

          子どもの頃からいろんなものに怯えて暮らしている。 ずっとなにかに怯えている。 怯えすぎて体調を崩したり睡眠不足になったりして、ずっと生きている。 大人になったら、もっと鈍感になって、いろんな怖いものがへいちゃらになって、のびのび暮らせるんだと思っていたけれど、やっぱりいつだってなにかに怯えて暮らしている。 なんなら、大人になるほど、この世のおそろしいものをたくさん知って、右を見ても左を見ても、こわいものだらけになってしまった。 * 子どもの頃はとにかく戦争が怖くて、ひた

          あれもこれも全部こわい

          不便なお家とパントリーの話

          先日、夫がパントリーの中に棚を作ってくれた。 数日が経った今も、感動がすごくて、用もないのにパントリーを開けて「ああ、棚があるなぁ」と思ったり、「物がきちんとおさまっているなぁ」と感動したりしている。 ものすごくうれしい。嬉しくてこれを書いている。 * というか、今までパントリーの中がいったいどうなっていたの、という話なのだけど、半畳ほどのがらんどうの中に結婚した時からずっと使っていた大きな棚を中に突っ込んでなんとか凌いでいた。 なんだけど、この棚がパントリーを開けて正

          不便なお家とパントリーの話