あなたが生まれたてくれた奇跡
たまには思い出してね、昔のことを。
まだ赤ちゃんだった時のことも。
こんにちは赤ちゃん。
かわいいね、バブちゃん。
お肌がしゅべしゅべでプリンみたいにもちぷるでしゅね〜。
…でね。
かわいくてかわいすぎてもう今すぐ抱きしめたくなっちゃうくらいかわいくてしょうがないあなたはね、幸せになるために生まれてきたんだよ。
あなたが生まれた時、すごく楽しそうに豊かに天使がラッパを吹いているのが聴こえてきたの。
嘘じゃないよ。
病院のベッドでも、コウノトリさんが運んできても、橋の下から拾ってきても何一つ変わらず平等に幸せになるために生まれてきたの。
だってもう、毎日あなたの健やかな笑顔にこんなにも充分エネルギー満タンで私たちは幸せを分けてもらっているから。
だから私たちはキツい仕事も家事もいつもより頑張れるし、もっともっと他の人にも優しくできる。
あなたがちゃんと元気に生まれてきてくれたから、私たちはもうそれで十分すぎるくらい嬉しい。
この先、あなたが今よりもぐぐんって成長して、あんよで歩けるようになったらどこまで探検しに行こうか。
たんたんをしっかり履いて似合うくっくを見つけに行こう。
おべべでおめかしして、暑くないようにあっぽんもかぶろう。
頼もしいみんなとならきっとどこまでも楽しい冒険ができちゃうよ。
…あとね。
もうちょっと先の話になっちゃうかな、将来あなたが立派な大人にならなくてもいいの。
絶対に心の広いあなたにとって成功とか、失敗とか、勝った負けただなんてちっぽけだよ。
別に頭がよくなくてもいい、運動神経が悪くてもいい、お勉強だって苦手でも全然平気だし大丈夫だよ。
あなたがちゃんと元気でいてくれて、素直で優しい真っ直ぐな人になってくれさえすれば私たちはそれでいいの。
かわいい赤ちゃんのあなたと私たちがこの長いようで短い人生で奇跡的に出会えて、仲良くなれて、優しすぎるくらい温かい家族になれたこと。
あなたの小さな手のひらにいたずらっぽく出した私の指を、あなたはその小さいおててで離れないように、絶対に離さないようにしっかりぎゅうって、にぎってくれたこと。
私は、私たちはとってもとっても、数え切れないくらい、感謝してもし足りないくらい嬉しいんだよ。
いつか成長して、なんだかモヤモヤする複雑なキモチになって、生きていて辛くなったり泣きたくなったり疲れたりしたら思い出して。
私たちが宝物のあなたをいっぱいに、い〜っぱいに愛してたこと。
いっぱい、いっぱい、い〜っぱい。
ぎゅううって抱きしめて。
世界で一番大好きで大切なあなたに出会えた奇跡が小さな胸いっぱいに溢れてたこと。
忘れてても、思い出してね。