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人と人との違いは、ものすごく大きい

福沢諭吉と言えば「学問のすすめ」が有名だ。

特に冒頭の

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。

が有名だ。ぼくも、それが福沢諭吉さんの意見かと思っていた。
でも、実際に読んでみると、すぐその後で、

ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。

とある。

福沢さんは、「人はみんな平等だ」などとは、これっぽっちも思っていないことがわかる。生まれながらの違いはないけれど、お勉強した人が偉くなって、勉強しないやつは「下人」で当たり前だという思考なのだ。

裏を返せば、うだつが上がらないのはその人自身が勉強しなかっただけのことで「自業自得だ」という主張だ。

しかし、ぼくは福沢さんの意見には賛同できない。人は生まれながらにしてものすごく違うからだ。

人間なんだから、あいつにできて自分にできないはずはない

なんていうのは、単なる妄想からだ。

顔の違い以上に、背の高さや体重の違いは大きく、肉体的な強さも、健康の具合も、ものすごく違う。

そして、脳の構造的な違いは、そのいずれよりも、おそろしいほどに大きいのだ。

それは、最近になって話題になることが増えた「〇〇障害」だとか「LGBT」だとかいったむずかしい話ではない。いわゆる「健常者」同士の間にだって「生まれついての違い」はものすごく大きいのだ。

それが、30年近く、3歳から78歳までの600人ほどの老若男女の学習に、ていねいに個別に付き合ってきた私の実感だ。

計算力一つを見るだけでも、「どれだけ勉強したか」なんかとは、何の関係もなく、ものすごく違うのが人間という生き物の実相なのだ。

生まれついた時から、犬と猿以上に、ぜんぜん違うのが人間同士なのだ。

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