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90年間以上続いた差別の歴史とコロナの関係

歴史の授業で「ハンセン病」について知った人は少なくないかもしれない。ハンセン病は神経に疾患をもたらす病気でかつては不治の病と言われていた。1931年以降、らい予防法によってハンセン病患者をハンセン病療養所に強制きょうせい的に入所させ、その差別は約90年もの間続いた。患者の出た家を真っ白になるほど消毒をしたり、国民を指導して「無らい県運動」を進めるなどして、ハンセン病は国の恥、恐ろしい病気という誤った意識を国民に植え付けたのも日本政府だった。

ここまで聞いて、ふと、最近の出来事と重なった人も少なくないのではないだろうか。まさに100年たった今も日本では「病気を患う人」への偏見が絶えない。命を懸けて医療施設で働く人に対して心ない声があがり、コロナの罹患者に対しては「自己責任」が問われ、思惑は何であれ結果的に「夜の街」を批判する対策をとってしまった政府は考えが浅いとしか思えない。

病気以上に怖いもの

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