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公共プールの工作のこと①

川柳句集「プ」の宣伝をかねつつ、これまでの工作について2回にわけて紹介していきます。


0,業者選び

業者選びは、①少数でも作ってもらえるか、②オタクに優しそうか、③丁寧な仕事を期待できるか、の3点でオリジナルグッズの業者を検索しています。以下の工作レポートを紹介しながら業者選定についても触れていきます。

1,ん゛のアクキー

2022年2月に、「ん゛かわいいアクキーにしてひからせる」っていう川柳を考えついたので作ったもの。業者は「アクリルグッズの達人」

データはアドビのイラストレーターで作りました。句ができたときにデザインのイメージがあったので、既存のフォントを使いつつ、無かった漢字の「公共」はそのフォントのカタカナの文字をばらして作字しました。こういうとき、簡単なペンネームにしてよかったなと思います。製作期間は3時間くらいで、作句したときには完成イメージが固まっていたので次の日には入稿できました。以前から仕事でイラストレーターを触っていたことや文字を置くだけだったので特段の苦労なく作ることができ、これがいい成功体験になりました。
こういう同人グッズを作ってくれる業者にはたいてい製作するデータの注意点(大きさやデータ形式)がまとめられているので、サイトをよく見て探すか業者に問い合わせると教えてくれます。むしろオタク相手の小ロットグッズでも丁寧に対応してくれる業者は必ず入稿データの注意点を丁寧に表示しているので、わかりやすいサイトというのも業者選定の指標になります。

われながらかわいいものを作ったものだ

2,生き馬のタオル

 2022年5月にできあがった「ぼくたちが生き馬の目をぬくチーム」タオル。業者は「ウィングタオル」

 ん゛アクキーの成功体験直後の2022年2月に製作にとりかかったもの。今回は「アクキーよりも実用的」「絶妙にダサくてかわいい」「みんなどこかで見たことがあるけど微妙に違う」という工作へのこだわりが先にあって、ショクバでもらった粗品タオルを目にしてタオルという選択肢となりました。とくに「みんなどこかで見たことがあるけど微妙に違う」という方針が以後の句作でも大切にしたいこだわりになったことも思い出されます。
 さて、タオルに掲載する川柳についてですが、当時はまだ柳歴も3ヶ月と浅かったためタオルに載せる句を作っても良いものはできないと見切りをつけて、それまでの自作の中から選ぶことにしました。
 タオルはフェスやライブでもオリジナルタオルってあるし、お年賀で企業が配ったりするし、こういうオリジナルタオルを持つとゆるい所属感が生まれますよね。所属感というイメージと、タオルに載ってたらうれしい気持ちになる自作の川柳を検討して該当の句に。当時まだ30句程度しか作ってなかったのいい感じの句があってラッキーでした。
 色についてはもともと緑色が好きだったし、子どものときのあだ名がみどり色だったこともや、公共プールも青みどり色をメインカラーにしていましたからすんなり明るいみどり色に。ウィングタオルさんがミントグリーンのタオルの取り扱っていたこともラッキーでした。

いろいろ作ってきたけどこれが納品されて一番もりあがった。苦労すると愛着がわく。

 作るものと載せる句も決まったからあとはデータをつくるだけなのですが、既存のフォントだとしっくりこなかったため諦めてレタリングの真似をすることに。イメージが固まるまであれこれ試作してます。絵とかビジュアルの畑の出身ではないので、これが一つ目の難所でした。結果から言えば、タオルの四角くて柔らかいイメージに合うフォントということで、一字の中にトンガリと小さいまるみと大きいまるみを混在させるという書体のデザインになりました。ただ、それに気が付くまで苦労して1か月ほどあれこれ悩んでいたところ、近所のたばこ屋さんの看板のフォントを目にして方向性が固まります。「た」の「こ」がつながっていてゆるい所属感と使い古して糸がほつれたタオルっぽくてかわいいね。このたばこの看板は毎日視界に入っていたはずなのに見てるようで見てないものだな~と感動しました。タオルの「四角い」「やわらかい」についてももっとよく観察して検討すればもっと早くフォントのデザインの答えに行きついたかもしれませんが、なかなかうまくいかず難しいもんです。
 あとはイラストレーターで字を作る作業。オブジェクトのパスという点を動かして形をつくるのですが、いままでやったことがない作業で、それぞれの字を考えながらそれをするのはとても苦労しました。句の各字では音引き「ー」が1時間くらい、「く」が3時間くらい、「ぬ」がいちばん苦労して20時間くらいで、この編集作業が二つ目の難所です。仕事から帰ってきてから2~3時間の作業で2か月くらいかかった気がします。これで腱鞘炎とドライアイになってしまったのですが、「それだから偽の初冬が目にしみる」という副産物的な川柳もできたので儲けものでした。
 ちなみに該当句は当初「生き馬の眼」だったのですが「眼」が複雑なかたちだったため「目」に簡略化して後述する句集「プ」でも「目」としました。シンプルで象形なのもよいです。こういうこともあり、句作で特段のこだわりがなければひらがなを多用したり、簡単な漢字にしたほうが自分の文体になるしグッズ化にも活きやすいという感触を得た気がします。

あれこれ試作。絵描きじゃないので苦手で苦痛な作業

3,公共プール石 

2023年1月に知人に誘われて宮城県石巻市のアートギャラリー・アートドラッグセンターに川柳の展示することになって作ったもの。業者はなし。白ポスカで適当に書いてます。
 「石巻か…石だな!」「石か…石に川柳書くか!」っていう感じの駄洒落で生まれました。水石ってジャンルもあるし、公共プール石になりました。工作の嫌のところが作ったものが邪魔になるしゴミにしにくいってことなんだけど、石はゴミにできないのもおもしろいからいい感じです。いまも展示しているので販売していませんが、いつか売りさばきたいです。
 石の採取についてはここのサイトが参考になります。自然公園じゃないところで個人使用?なら大丈夫とのこと。
 公共プール石のいちばん面倒で楽しいのは、いい感じの石を見つけてることと、それぞれの石に一番似合ってる川柳を見繕うことです。「この石にはあの川柳がいちばん似合ってますよ」という声?が聞こえてきます。その石はそれ一個だけだし、ポスカは消せない(※石の種類によっては砂消しゴムで消せるけど)ので原則やり直しがきかないので書くときはちょっと緊張しますね。
 なお、この展示は今も継続中です。あきるまでやりたいと思います。

公共プール石展示のチラシ。チラシ作りも楽しい


4,公共プール凧

2023年3月。公共プール石の成功体験から「次は川柳を飛ばしたい!」と思い、凧を作りました。業者なし。ユーチューブで凧作り動画を見て、ホームセンターで竹ひごと障子紙、タコ糸、のりなど必要なものを買って工作しました。竹ひごは良し悪しを注意して選んでいきます。
 とりあえず名前を大きく書いて見ました。過去一恥ずかしかったです。河川敷で飛ばしましたが、注目度ばつぐんです。
 本当は、2024年の正月に17枚の連凧にして飛ばすのを目標に2023年をすごそうと思っていたのですが、凧作りが手間暇がかかることと恥ずかしいことで断念しました。代わりにだれかやってください。

凧は幅45㎝×高70㎝とけっこうでかいです。風速2mくらいで50mくらい飛ばせました。


次回予告

5,追悼文えんぴつ

6,「プ」の蓄光ステッカー

7,豆本キーホルダー句集「プ」

番外変

A、「こんとん」ネオン風看板・映像
B、「ふりょの星」ピンバッチ



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