あそこのビジネス始めようかと思いまして。創業きっかけ編
日本初のデリケートゾーン専門美容「ピュビケアサロン白金台」を姉妹で立ち上げました。2010年でした。姉妹とはいえ、女性で起業するのはまだ珍しく、お遊び程度のことだと思われる時代でした。2010年創業時に女性ファッション誌で『ゆる起業』特集で取材されるほどですから。さらに「陰部の陰毛を処理するビジネス」。大変驚かれました。というか、ドン引きされましたが、姉妹のゆるい起業だから話題にはしてもらえたようです。
そんな無鉄砲な創業時代を思い出しながらの「フェムケア維新物語」がご参考になれば幸甚です。
あの姉妹、あそこのビジネス始めたんだって
私たち姉妹は、一緒に暮らす仲の良い姉妹でしたが、キャリアのバッググラウンドも趣味・嗜好、思考も思想も得意分野も全く異なります。たまたまのたまたま、お互い仕事を辞めたタイミングが同じで、「あのコンテンツはブルー・オーシャンだし、起業してみようか」となりました。妹が言い出しっぺなので、社長に。姉の私は、セクシーな響きかなぁ、ということで副社長ではなく専務に。
あのコンテンツとは、「あそこのケア」。00年代当時は「フェムテック」「フェムケア」などの言葉はなく、「あそこ」という言葉に女性の ”性” が集約されていました。自分の体のパーツなのに「あそこ」と呼び、まじまじと見ることもはばかられ、友人同士で「あそこの話」をするなんてもってのほか、婦人科で足を開く診察台に乗るのも怖い、親にも生理の相談がしづらい・・・などなど。そんな時代でした。
そんな中、米大ヒットドラマ「SEX AND THE CITY(セックス・アンド・ザ・シティ / 日本では2008年放送開始)」通称「SATC」で、ニューヨークの独身キャリア女性たちが、赤裸々にSEXを語り、自立した姿に私たち世代は大いに感化され、熱狂しました。女子会が流行り出したのもこの頃。「SATC」は年代もキャリア背景も異なる女性の仲良し4人組が物語の中心で、そんな彼女たちを真似るようにガールズ+ゲイで集まっては、夜な夜なテラス席でシャンパンやワインを飲むことがオシャレだと思って生きていました。私たち姉妹は、お互い海外出張も多く、休みがあればすぐに海外旅行へ、友人ともどこかの都市で待ち合わせてクラブに行く・・・。そんな独身生活を謳歌していました。各国の友人たちとのガールズトークでも「Love & SEX」のネタで盛り上がりました。「世界共通の鉄板ネタ」で各国ガールズトークを進めるうちに、デリケートゾーンのワックス脱毛に出会い、お手入れの方法を学び、「SATC」のワックス脱毛のシーンで「日本人女性の間ではまだ知られていない最先端のオシャレ」だと確信しました。姉妹で興奮して「ブルー・オーシャンのビジネスを見つけたね!」と。
ブルー・オーシャンだと信じて起業してみました
「あそこのケア」は世界では当たり前で、日本では浸透していないから、まずは「書籍にしよう!」と以前務めていた出版社に話を持ちかけるも玉砕。「セックス特集」で有名なマガジンハウスに企画を持ち込むも「陰毛の本ですか・・・」とけんもほろ
ろ。柔軟で先進的な考え方を持つ出版社の(決裁権を持つ)男性にも理解できないコンテンツ。私たちの「あそこのビジネス」こそ、誰も手をつけていないビジネスであり、ブルー・オーシャン的で女性起業にはもってこいなのではないか。ますは、お互い貯金を50万円づつ出しあって(そんな金額で無鉄砲!)サロンを立ち上げよう!と会社を立ち上げました。
ちなみに、ブルー・オーシャンとは、2005年に出版されたビジネス書「ブルー・オーシャン戦略」で提言されたマーケティング、経営の新しい考え方で、世界中でベストセラーになった話題の書。今夏(2024年8月)新版が発売されたので、さらにブルーな市場を探さなくてはと頭を悩ませているところです。
とにかく、無鉄砲にリゾートのビーチ感覚で「青い海だ😍!」と姉妹で飛び込むように会社登記したのが2009年の冬でした。