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二人目の子供
二人目の子を産んで体の内側から湧いてくる「私もっと変われるかもしれない、よくなれるかもしれない、今動かなきゃ」というようなそわそわした気持ちに突き動かされた。そして私は、再び今まで蓋をしていた自分の内面部分の奥深くを見つめてみようとした。
なぜこんなにもいつも不安なのか。
なぜこんなにも渇望感が無くならないのか。
なぜ「生きていてゴメンなさい」という罪悪感がいつになっても拭えないのか。
なぜ自分が本当にやりたいことに向き合おうとするたびに喜びよりも罪悪感が勝ってしまうのか。そして、自分のやりたいことよりも他のこと(家族のこと、友達のこと、会社のこと、お金のこと、周りの都合など)を優先させようとしてしまうのか。
若い頃は、経済的に不安定で食べることを優先させるしかなかった。実家の借金問題もあった。結婚してからは、初めての子育てと夫婦仲を安定させることを優先させてきた。今、借金問題からも抜け出し、苦痛の種であった実家とも縁を切り、夫婦仲も安定し夫のサポートも十分に受けられるようになり、二人目の子供を出産して、経済的にも社会的にも不安な状態ではなくなった。今度こそは自分の心の葛藤を克服したい。いや、今克服せねばこのまま歳をとり、死ぬ前に後悔すると思った。また、葛藤を抱えたままの自分では、後々子供に不安を植え付けてしまうのではないかというぼんやりとした心配もあった。子供は本能で親の内部の心情を良い時も悪い時も敏感に感じ取るということは、長男を見てわかっていた。だから私は、自分に向き合いたいと思った。しかし、すぐに私は原因不明の壁にぶち当たっていた。自分に向き合うには自分の過去に向き合わなくてはいけない。そうすると不安感のループが湧き上がってしまうのだ。私は、再び自分の気持ちをメンテナンスし治すべく心療内科に通い直すことにした。