こいわずらひのソネット
恋しては、いけない君を愛している。
これは禁じられていないはず。
ただただ、愛することが救いであり。
ただ、恋することは許されず。
恋をしては、愛ではなくなる。
許されもせず、叶いもしない。
そんな哀しい恋になる。
それでも焦がれる、ゆえに恋は患いなり。
涼しい顔は笑顔を見るため、熱いこころは本音を誤魔化す陽炎のため。
底の底にて、はらりはらりと散らすアカシア。
涙を飲み込み振れども抗う。
はなびら一枚、落つる能わず。
わたしの瞳はわたしを映す。
水を鏡に背中に越して、君に問う問う、わたしのこころ。