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ピラティスは筋肉増強に、向いてる?向いてない?
結論
「ピラティスは筋肉増強を目的とする運動としては不向き」
根拠
【参考文献】
「Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis(過体重または肥満に対するピラティス: メタ分析)」
ピラティスは、太りすぎや肥満の成人の体重、BMI、体脂肪率を劇的に減らします。しかし、腰囲と除脂肪体重に有意な影響を与えません。
「Effects of the Mat Pilates Method on Body Composition: Systematic Review With Meta-Analysis(体組成に対するマットピラティスの効果:メタアナリシスによる体系的レビュー)」
マットピラティスは、健康な成人被験者の体組成(BMI、除脂肪体重、体脂肪率、腹囲)を改善するための従来の運動やコントロール群と比べて優れたものではありません。
理由
まず、上記の参考文献にある除脂肪体重とは、文字通り脂肪を除いた体重のことです。
これは筋肉量の指標として用いられており、文献では長期的なピラティスにおいて、除脂肪体重に変化はでないと結論付けています。
つまり、ピラティスでは筋肉量は増加しないということになります。
では、なぜピラティスでは筋肉量が増加しないのか…
これはいたって単純で、負荷量が少ないからです。
トレーニングや運動によって筋繊維が損傷すると、その修復過程で筋繊維が増えて筋肉が大きくなっていきます。
ピラティスでは体の動きをコントロールすることに重点を置くため、運動時の負荷重量を少なくして行うことが多いです。
そのため、筋繊維が傷つくことが少なくなり、結果的に筋肉量の増加につながりにくいと考えられます。
まとめ
今回はピラティスが筋肉量の増加のためのエクササイズとしては不向きであるという内容でした。
なので、筋肉量を増やしていのであればウエイトトレーニングやレジスタンストレーニングがおすすめです。
ですが、ピラティスでも回数を増やしたり、運動スピードを上げたりすることで負荷量を上げることはできるため、一概に筋肉量が増えないというわけではないと思います。
ただし、負荷量やスピードを変えた場合は、ピラティスの本質である運動のコントロールという面ではより難易度が高くなるので、そのあたりは指導者の見極めが必要なところでしょう。
大事なのはクライアントの状態の見極めとゴールの把握を正確に行った上でエクササイズを実施することだと考えます。
この記事を読んでいただいた方も、ぜひ参考にしてみてください。