「活動と参加」が重要だって言われていますね #2
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本日のテーマ:活動と参加
どうも、理学療法士のゆうです。
先日の記事では「活動と参加」の基本的な知識について整理しました。
今回の記事ではもう少し発展して「活動と参加」について考えていければと思います。
前回の記事をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
少しでも学生や若手理学療法士の成長につながれば幸いです。
「活動」と「参加」の区別は難しい
前回の記事では定義として
活動:日常生活における動作や行為のこと
参加:日常生活における役割のある活動
という内容で、その違いは「役割」があるか、ないかということは書きました。
しかし、現実の日常生活の行動・行為には一見役割がありそうだけどないもの、役割がなさそうであるものなど、どの行動・行為が活動なのか、参加なのかを明確に区別することが難しいことも多いかもしれません。
同じ動作でもその人の生活状況や、行動を行うタイミングによっても役割がなくなったり、変化したりするからです。
「活動」と「参加」はグラデーションで考える
区別の難しい「活動」と「参加」は明確に分けることはせずにグラデーションでとらえて、「活動と参加」としてあいまいにしておいてもいいと、私は考えています。
介護保険やリハビリテーションでは、あくまで「活動と参加」が重要とされていますので、「活動」と「参加」を明確に分けて考える必要はないからです。
だからと言って、「活動(役割なし)」と「参加(役割あり)」の違いを理解しなくていいということではありません。
しっかりと「活動」と「参加」の違いを理解している場合においては、「活動と参加」とまとめて考えても良いということです。
前回の記事は「活動」と「参加」の違いを理解してもらうための内容です。
本当に重要なのは「役割」について考えること
みなさんは役割について考えたことはありますか?
日常の中ではあまり気にしないかもしれませんが、みなさん1人1人にも様々な役割があるのだと思います。
理学療法士としての役割、若手理学療法士としての役割、中堅理学療法士としての役割、理学療法士の前に一職員としての役割、医療従事者としての役割、・・・。
家族内でも同様です。
親としての役割、子供としての役割、夫としての役割、妻としての役割、主婦としての役割、主夫としての役割、兄としての役割、姉としての役割、妹としての役割、弟としての役割、・・・。
他にも地域での役割や友人間での役割、PTAなどでの役割など様々な役割があるのではないでしょうか。
それと同様に患者や利用者にもそれぞれの人間関係の中で様々な役割があります。
そして患者や利用者は「心身機能と構造」の変化により、その役割が果たせなくなっている可能性が高いのです。
そのような患者や利用者が元々の役割を果たせるようになったり、新たな役割を獲得したりすることが本当の意味でのリハビリテーションです。
リハビリテーションの本来の意味についてはこちらの記事に書いてあります。ぜひご覧ください。
全介助の利用者の役割と言われても困ります
ここまでの内容を読んできてこう思う方もいるのではないでしょうか?
確かにあらゆる日常生活動作に介助を要する利用者の動作能力が向上して、新たな行為により役割を果たすことは難しいかもしれません。
それでも私はこういった利用者も、というよりもこういった利用者だからこそ果たせる役割があると考えています。
それが「存在役割」です。
存在役割
この言葉は私が勝手に言っているだけで一般的な言葉ではありません。辞書に載っているような言葉でもありませんので明確な定義もありません。
私はこの言葉を「ただそこに存在すること、時間や場所を共有することで果たされる役割」と考えています。
具体的な例としては、
『普段施設に入所している全介助の父がお正月に自宅に外出してきた。そしてその時は普段集まらないような子供たちや孫、ひ孫が多く集まり、食卓をともにした。それはほんの数時間の事であった。もちろん、家でもあらゆることに介助が必要な状態は変わらない。
それでもその時その場所には多くの笑顔があふれていた。
そして数年たった今でも父の法事の時にはその時の話をしながらみんなが笑顔になっている。』
創作なので綺麗すぎる話かもしれませんが、「父」はそこに存在したことでその場にいた人との思い出作りという役割を果たすことができています。
さらには存在しなくなった(亡くなった)後も話の話題を提供し、みんなを笑顔にしています。
これが私が考える存在役割です。
まとめ
最後は少し難しい話になってしまったかもしれませんが、リハビリテーションにおいて「役割」はとても重要です。 「身体機能」の専門家である理学療法士ですが、「役割」にも着目していくことでより多くの患者や利用者を笑顔にできると思います。
今回の内容が多くの理学療法士・作業療法士の成長につながれば幸いです。
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