肩の施術が難渋する患者さんの特徴
こんにちは!理学療法士の笹川ひろひでです!
前回は肩のインナーマッスルを鍛えている
施術家は時代遅れである、というお話をしました。
実際、これで解決するなら
施術家は必要ないですね!
なぜ、それで改善しないのか
本質を見極めれば、必ず一つの答えを
出すことができるはずです。
その第一歩が
“施術現場で結果を出す”
ということです。ぜひ前回のメルマガを
見逃した方は読み直してみてくださいね^_^
今日は肩のマニアックな解剖の
お話をさせていただきます。
肩の施術が難しい、と言われるゆえんとして
『肩内旋制限がなかなか取れない・・・』
という問題です。
可動域も改善していかないし
可動域を上げるために動かすと
強く痛がるのが現実だと思います。
今日は、なぜ肩関節内旋制限の
施術が難しいのか、根本的なお話を
していきたいと思います。
肩を内旋させる筋は
・大胸筋
・肩甲下筋
・三角筋前部繊維
・烏口腕筋
・広背筋
・大円筋・・・・
と
たくさんの筋肉が肩を振り下ろす動作に参加します。
大胸筋、広背筋などの大きな筋肉は
力強い運動に適しています。
それを、関節が外れないよう
支えてくれているのが肩甲下筋です。
この肩甲下筋というのが厄介です。
なぜなら
単独で働かせるのが非常に難しいからです。
試しに大胸筋には力を入れずに
肩の奥に力が入るように肩甲下筋だけ
収縮させてみてください。
かなり難しいと思います(笑)これが
肩の可動域が改善しない理由の一つです。
肩を内旋させるとき
大胸筋や小胸筋、烏口腕筋が過剰に
働き肩関節の軸回旋(肩関節が外れずに
回旋される)できず可動域が狭くなります。
さらに、肩甲下筋の下には
肩甲下滑液包(けんこうかかつえきほう)という
潤滑油のような袋が存在します。
この袋の重要なことは・・・
肩関節の関節包とつながっている
ということです。
この肩関節の関節包と肩甲下滑液包を
開通している穴を“ヴァイトブレヒト孔”と
言いますが、
肩を動かしたときに
肩関節内の液体は肩甲下滑液包を
行き来したりして関節内に圧がかから
ないように調整されています。
ですが、50肩や肩関節の
インピンジメント(衝突)を繰り返すと
この穴がふさがっちゃいます。。。
この状態で50肩のように
肩が腫れたらどうなるでしょうか?
肩がパンパンに腫れて関節包も
膨らむ力がどんどん加わるので
激痛が走るのです。
50肩の施術をする際に
肩が痛くて全く動かせない人を
施術したことはありますか?
ちょっとした動作で肩の内圧が
変化すると痛みが出るので、肩周囲の
筋肉はガチガチになっちゃうのです。
このヴァイトブレヒト孔が
ふさがって痛みが出る場合、早く改善するのは
肩関節への注射を打つと穴が開通し一気に
痛みが改善されることがあります。
また痛みが強いですが、肩を内旋させると
関節包からヴァイトブレヒト孔へ関節液が
流れるので急性期の時はストレッチだけ
指導するのも、関節の圧障害を改善させるためです。
ということで
今回のお話は専門的で難しかったと思いますが
・肩甲下筋が働かないと肩の軸回旋が
起らず、可動域が狭くなる
・ヴァイトブレヒト孔が閉じてしまうと
肩の内圧障害の痛みで動かせない
という問題で、正常な関節運動を阻害してしまうんですね~
次回は
どうやって肩甲下筋を単独で
収縮させていくのかというお話を
しようかと思います^_^
これを知るとホント肩の施術が楽になりますwww