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腰痛をみるときの第2のパターン


腰痛をみるときの第2のパターン
こんにちは。
理学療法士の笹川です。


非常に腰痛のお話しをしたときは
反応が良かったですね(^^♪症例数が
多いだけに施術のテクニックに対しての
ニーズも多いようです。

ということで前回腰痛を診るときに
大きく2パターンあるというお話しをしました。


前回のお話し
⇒ 腰痛を診るときの簡単なパターンの見分け方


腰痛を診るときは大きく分けて
腰椎が伸展しているか、フラットまたは後弯しているか


この2点を診るようにしましょう。
腰痛が起こる原因として殿筋の筋力低下は
共通しているのですが、


筋力低下を引き起こす原因が
この二つの大きな違いになるのです。


今日はもう一つの
腰椎がフラットまたは後弯しているパターンに
ついてお話ししたいと思います。


よく高齢者の円背姿勢になって腰が
痛い人に対しての施術を行う機会が
多いと思います。


「腰が曲がっちゃったんだったら、腰を反らせたら
いたいよなぁ・・・」


なんて漠然に考えてしまい、無駄に
できないスクワットをさせたり、ヒップアップなど
殿筋を無理に鍛えさせようとします。


しかしそのようなパターンの方に
実際にヒップアップをさせてみてください。

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腰椎が後弯している高齢者では
ほとんど臀部は持ち上がりません。

では殿筋を鍛えればお尻が上がるように
なり腰痛が改善するかというとそうではないのです。

これは殿筋が弱いわけではなく、殿筋の
固定筋が筋力低下を起こしていることが
私自身の臨床経験から分かりました。

そして私自身も腰椎後弯している患者さんに
腰椎伸展を避けてきた人の一人ですが、

あることをしたら劇的に姿勢の改善とともに
腰痛が改善しました。

それは
『多裂筋』です。

多裂筋の一番働く動作は
ペルビックティルトと言われています。
臨床研究ではバックブリッジとも言われて
いますが、どちらもこの腰椎後弯パターンの


※バックブリッジとはヒップアップしている状態で
片足をまっすぐあげる非常にキツイトレーニングです。

患者さんには非常に難しいトレーニングです。
なぜなら多裂筋は股関節屈曲位から始めると
収縮を得られにくいからです。


そして腰椎後弯している患者さんの特徴として

①歩行時にトレンデレンブルク徴候が見られる
(右足で支えている時に反対側の骨盤が下がる)
… この場合右中殿筋の筋力低下により支え
きれずに骨盤が下がってしまいます。

②腸腰筋に圧痛がある、腸腰筋停止部が隆起している
③股関節の伸展と開排制限がある
④多裂筋と内転筋を同時に筋力低下を起こしている

このような特徴があります。


特に股関節は非常に強い関節の制限があり
施術者も非常に悩まされるのですが、


多裂筋をしっかりと働かせることが
できると自然に筋緊張が抜けてきますので
腰痛を引き起こしている筋スパズムが
簡単に取れてしまいます。

高齢になって非常に関節の制限が
強い人は簡単に見分けることができますが
これが若い人になると腰椎が丸まって歩く
若年者がいないので判断がつかなくなる人が多いです。

施術としては…

あおむけにさせて膝を伸ばしたまま臀部挙上
させるのが効果的です。多裂筋の作用は

『股関節中間位または伸展位での骨盤の挙上』


なので膝を曲げてお尻をあげようとするため
膝を伸ばすように指導して行います。

また自分の力の分だけで腰を伸展させて
いるため、私が施術をして

「逆に腰が痛くなった」

という患者さんはいません。また腰椎後弯している
患者さんは変形性膝関節症により膝が伸び切らない
患者さんも多いです。

そんなときは寝返りをうつように、
片側だけ『股関節の伸展、骨盤挙上』
をさせると簡単に多裂筋を鍛えることが
できちゃいます。

私も以前腰椎が伸展して腹筋が弱い患者さんが
多いと思い、一時期はずっと腹斜筋や腸腰筋を
鍛えるエクササイズをしていた時期があります。


しかしこの腰椎が後弯するパターンの
方は多裂筋が筋力低下を起こしています。

関節の痛みは弱いところを鍛えてあげないと
結局痛みは改善しないのです。


施術家として

『どこが弱くなって痛みを引き起こしているのか』

きちんと診れるようにならないと
いけないと思います。

施術現場で一度腰椎後弯している人に
多裂筋のエクササイズを試してみてください(^^♪


次回も腰痛に関してとことん突き詰めて
施術技術を高める内容をお話ししていきますので
お見逃しなく。

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