誤嚥性肺炎を予防するためには、歯科受診がオススメ
今回は「誤嚥性肺炎」と呼ばれるもののお話です。
実はこの誤嚥性肺炎の予防には、歯医者に通うのが良いと言われています。
そもそも誤嚥性肺炎とは?
今の日本人の死因は厚生労働省の調査によると、
こんな感じです。誤嚥性肺炎は7位ですね。1位ががん、2位が心筋梗塞などの心臓病、3位が脳血管疾患で、4位に老衰、5位が肺炎です。(肺炎は前まで3位だったのですが、急に減少しています。これは実は統計の問題。昔は誤嚥性肺炎と普通の肺炎を足して計算していたので、肺炎そのものが減ったわけではありません)
さてこの「誤嚥性肺炎」。喉には食べ物を食べた時の通り道と、息をする時の空気の通り道の二つの道があります。当然食べ物を食べた時は、食べ物用の道を通っていく必要があるのですが、なにかしらの原因で「息をする時用の道」に食べ物が入ってしまうことがあります。
間違った道に行くので、「誤りの嚥下」で誤嚥。(食べ物を飲み込むとこは、嚥下といいます)
そこから起こる肺炎なので、誤嚥性肺炎という名前が付いているわけです。
ちなみに食べ物で起こるだけじゃなく、唾液とかが原因で起こることもよくあります。
誤嚥性肺炎の予防に関する研究
歯科受診をしている人は、誤嚥性肺炎の発症リスクが約半分になるという研究です。
老人保健施設で口腔衛生管理加算を算定していた利用者430名について、退所後の口腔ケアの状況及び肺炎のり患状況をレセプトで把握したところ、歯科受診ありの場合は、ハザード比 0.5 (95%信頼区間: 0.32-0.79)と、肺炎発症が約半分に抑えられた
第1回医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議 (5/16)
松田晋哉 産業医科大学公衆衛生学教授 提出データより
誤嚥性肺炎の予防に対して、歯科受診が重要ってことですね。
この研究で頭に入れておくべきこと
歯科受診で誤嚥性肺炎が予防できそうな気配がありました。
が、一方で、歯科受診をする(させてもらえる)という健康意識の高い患者さんもしくは家族である可能性も高いです。
つまり、単に歯科受診だけではなく、他にも十分な栄養ケアやリハビリも受けている可能性があります。
歯科単独で効果があるのかどうかは、このデータからだけでは判断が難しいですが、リスクを軽減するための、必要条件の1つであるということはできそうですね。
ちなみに、高齢になってから一番後悔する身体のことは、1位が「歯を大切にしておけばよかった」です。
歯を悪くするとご飯が美味しくなくなってしまうので、そういった面でも歯科受診はオススメですよ。
ほかにも誤嚥性肺炎を予防する方法はあるの?
誤嚥性肺炎を予防する手段が他にもあるのかですが…あります!
・食べやすい姿勢で食べる
・食べやすい食べ物を食べる
・リハビリで嚥下機能を向上させる
ですね。これらを行うことでリスクを減らしていくことができます。
(口の中を清潔に保つことも予防になりますが、歯科受診と内容が重なるところがあるので割愛)
-食べやすい姿勢で食べて誤嚥性肺炎予防
姿勢は誤嚥の予防にすごく大事です。
まず知っておいて欲しいのは、「首は軽く曲げた方が良い」ということ。顎をあげた状態で食べると誤嚥しやすいので気をつけましょう。食後は2時間ほど椅子に座って身体を起こすようにしてあげればなお良しです。
そして寝たきりの人など、身体を起こせず寝ながら食べる必要のある方は、ベッドまたはリクライニング車椅子をリクライニング30度以上にして、あとは枕を使って頭部を少し前屈させるようしてくださいね。
また、就寝時も頭を少し高くしてあげることで誤嚥性肺炎の予防になります。体調が悪い時などは結構誤嚥性肺炎のリスクが上がるので、そういった時は意識的に姿勢をよくするようにしてください。
食べやすい食べ物を選んで誤嚥性肺炎予防
当たり前ですが、食べやすい食べ物と食べにくい食べ物があります。
食べやすい、誤嚥しにくい食べ物の基本はトロミのあるもの。
パサパサした食べものは細かく崩れるので細かくなった食べ物が気管に入りやすいです。トロミのあるものはまとまったまま口に入っていくので、そのまま食道に入っていきやすいわけです。
リハビリで嚥下機能を向上
リハビリでも誤嚥性肺炎の予防に繋げることができます。詳しく書いてくれてるものを見つけたのでこちらを参考にして貰えたらと思います。
よく喋ることで、のどのトレーニングになります。口を動かすことで筋肉が働いてくれるので、それも十分誤嚥性肺炎の予防のリハビリになりますよ。
と、いうことで今回の記事は
「誤嚥性肺炎を予防するためには、歯科受診がオススメ」でした!
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