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心の中のファンタジーを語れることの大切さ
過ちを犯したとあるクライエントは私に言った。
貧しく不遇だったころ、自分が悲劇のヒロインだというストーリーを頭の中で思い描いて何とか自分を慰めていた。でもそれを誰かに話すことのないまま過ごしていたら、どんどん肥大化していって、いつしか頭の中のストーリーを現実にしてしまった。と。
社会的経済的に満たされているのにいつも猜疑心から誰かと対立しているクライエントがいた。
人間は守りたいものが増えれば増
人を修理することはできない
カウンセリングをしていると、色んな方が聞いてきます。
「何が原因なんでしょうか?」
「何のせいでこうなったんですかね?」
「〜が悪かったんですか?」
「〜をなおせば、変わりますよね?」
そう言いたくなる気持ちは痛いほど分かります。
何が原因で、今の問題があるのか。
こうなった元凶は何なのか。
問題があれば、それはなにかの原因による結果として現れていると考えるのが自然でしょう。
しかしそれは
心理士の私のこころの本棚:現代文学①
本が好きです。 たくさんは読みませんが、それでもコンスタントに読んでいます。
最近はもっぱら専門書を読むことばかりになってしまいましたが、心理の仕事を通して様々な方から教えて頂いた本もたくさんあります。
ここに、たまにふと思い返したり、読み返したりする本を記していこうと思います。
たくさんあるので、ひとまず今回は現代文学に絞って、パッと思い出すものを挙げてみました。
(ランキングではありません
「物語る」ことが全てを癒す
カウンセリングの効果って、何だと思いますか?
カウンセラーから、新しい思考法を学ぶこと?
カウンセラーから、適切な対処法を得ること?
カウンセラーから、自分の深層心理を知ること?
全て正しいようでいて、その本質ではないと考えています。
では何が本当の効果なのか?
それはタイトルに示したとおり。
「カウンセラーに、物語ること」なのです。
いやいや、待てよ。
物語ることはその手段であって、効果
罪の意識が罰を欲する
「植え付けられた罪悪感」
カウンセリングをしていて、これが如何に人々を苦しめるか実感しています。
例えば家庭で。
子どもからの「○○に困っている」「○○してほしい」という状況に対して、親が要求に応えつつも"迷惑をかけられている"とか"無理をさせられている"という態度を示す。
その態度というのは、言葉で「あんたの要求に応えたから私がとても大変な思いをした」などと言うのかもしれないし、あるいは舌
組織は型が小さいと終わる
ダイバーシティ(多様性)という言葉が謳われるようになり、最近はその制度化が進んできています。
多くの企業もダイバーシティの視点を取り入れ、性別や学歴を問わない採用を行ったり、マイノリティであっても働きやすい制度を設けたりと取り組みが盛んになっています。
それは単なる、権威を持つ者からの優しさではありません。
マジョリティからマイノリティに向けたボランティア精神ではありません。
「みんな仲良
子どもの政治で世界を平和にできる
世界平和の実現って、特別な人にしか出来ないと思いますか?
経験豊富でなければ、リーダーシップがなければ、知的能力が高くなければ、富を持たなければ、出来ませんか?
ワールドピースゲームをご存知でしょうか。
簡単に言えば「世界を平和にするゲーム」です。
アメリカの小学校教師ジョン・ハンター氏によって考案され、現在は多くの国で実施されています。
TEDでご覧になった方、テレビ番組で知った方もいらっしゃ
負の共鳴は美しいが悲しい
あなたにはありますか?
ネガティブなアイデンティティが。
例えば「いつも人に譲っている私」とか、「いつも最後に失敗する私」とか。
心理学では、ネガティビティとか、ネガティブナルシズムとかいわれているものです。
自分の中のネガティブなイメージ(パターン)が、自分の一部として染みついていく。
そしてそれは"自分"であるために必要な要素の一つになる。
そもそもネガティブが何かを定義しようとすると
躁が求められる時代に抑うつになる勇気
早く起きて朝活。
仕事はがむしゃら。
夜はジムか飲み会。
土日は自己研鑽。
みんなこうして頑張って、上向いて、時間を無駄にしないで、人脈広げて、ポジティブに、何事も楽しんで。
怒りはコントロールして、悲しみは切り替えて、上手くいかないことは論理的科学的に修正して。
そんなの、虚像です。
落ち込んで、いつもは出来ることが出来なくて、誰にも会いたくなくて、羨んで、嫉妬して、誰かに優しくして欲し