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印象形成(impression formation)

○印象形成

 服装や外見、声や身振りなど断片的な情報を手がかりにして、その人物の全体的なパーソナリティ像を推測すること。
 「警察は信用できない」といった個人的な体験に基づく対人認知は、暗黙の人格論 (implicit personality theory) と呼ばれ、印象形成とは区別される。

 アッシュ (Asch. S.E.)は、ある人物の特性を表す7つの形容詞リストを用意し、その人物の印象をたずねる印象形成実験を行った。

リストA
知的、才能がある、勤勉である、温かい、注意深い、てきぱきしている、実際的
リストB:
知的、才能がある、勤勉である、冷たい、注意深い、てきぱきしている、実際的

 異なる形容詞は「温かい」「冷たい」だけであるが、 リストAの人物の方がずっと好意的であった。
 「温かい」人の「知的」な特性は「賢い」という意味に変化して全体的に肯定的な印象になるが、「冷たい」人の「知的」な特性は「抜け目ない、打算的な」という否定的な印象に変容する。
 「温かい」「冷たい」など印象形成の核となる語は、中心特性(central trait)とよばれ、中心特性の影響を受けて印象形成が成される語は、 周辺特性(peripheral trait)とよばれる。


 自分が所属し、成員であると認知している集団を内集団(in-group)といい、 所属していない集団を外集団(out-group)という。
 内集団に対して、高い評価を与え、好意的な態度や行動をとる傾向を内集団バイアス(in-group favoritism)という。
 一方、外集団は相対的に低く位置づける。自民族中心主義(エスノセントリズム)や外集団への偏見・差別を生み出す源となる。

○外集団均質化効果(out-group homogeneity)

 外集団がより均質だと見なされ、逆に内集団は多様な者の集まりだと見なされる傾向。
 多様な人々の集合に対して、個性的な個人の理解を歪め、偏見やステレオタイプを強化する。

○寛大効果(leniency effect)

 他者の望ましい側面は強調され、望ましくない側面は控えめに評価すること。印象形成に影響する。

○光景効果(halo effect)

 他者のある側面に対する善し悪しの印象形成が なされると、他の側面までその印象を適用してしまう傾向。

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