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これからのPSW2 PSWよハングリーになれ

PSWというか福祉職はあまりハングリーな人は少ないと思います。

実習生や新任PSWと関わっていると私の大学時代とあまり変わらない感じがします。

そもそも「人の役に立ちたい」「この現状をどうにかしたい」という意識で「福祉道」に入り、大学や専門学校での学習や実習を耐えてここまで来たのですからそういった方は多いと思います。

「金儲け」の話はタブー視されている感じもします。私の大学時代は授業中も休憩時間も通学中や下校中も休日にボランティアや施設見学にいくときもゼミの打ち上げでもずっと「福祉」の話ばかりでした。女子と仲良くなるとか恋話をするとか王様ゲームとは無縁の世界でした。指導教授もゼミの飲み会でレジュメを配って解説をしてからはじめていました。

私の大学時代の実習は「第1種社会福祉事業に限る」という制限があったので、高齢者施設、知的障がい者更生施設(当時)、児童養護施設など入所施設や福祉事務所、児童相談所くらいしかありませんでした。今はかなり拡がっています。私のときは社会福祉協議会や病院などは任意実習というかたちでした。

社会福祉現場実習に備えていろいろな施設見学にいきました。私の仲間はみんな「知的障がい」か「高齢者」を希望していました。私はあまり考えていませんでした。なんせ、学科でナンバーワン学生が行く施設を狙っていたからです。仲間はみんな「キレイな場所は鍛えられない。だから実習先はあえて介護や介助など汚れる施設がいい」と考えていました。施設見学にいくときはこの話は常でした。

ある歴史ある知的障がい者更生施設で、施設長が熱く語りました。

「最近の実習生はとんでもないんだ『クソ、ションベンの世話』をしないんだ。何様なんだ。そういうところを踏んでこそ『福祉なんだよ』」

「私たちも同じです!」

と一緒に行った女学生がいいました。

「ほんとうか?」

「はい」

仲間は語り始めました。

とにかく熱かったのです。

実習前から私たちは「現場を知りたい」といろいろ考えました。ある日曜にAIDEM(求人広告) が新聞折り込みで入っていました。そこに「ホームヘルパー募集」とありました。家政婦紹介所のものでした。月曜に問い合わせをして仕事のことをききに行きました。まずは私が偵察です。家政婦紹介所といってもドラマに出てくるような感じではなく、しゃれたオフィスでした。応対してくれた方が若くてキレイでした。福祉大学卒で社会福祉士の資格がなかなか取れない状況の方でした。しかし、福祉や介護への熱意はありました。「こんなかわいい人といつも会えるなんていいな」と下心充満でした。

真面目な話。そこで、若いからと知的障がい者の緊急一時保護事業からやることになりました。これは在宅の知的障がいの方が介護者の用があったり、肉体的精神的にきついときにレスパイト的な意味でも利用できました。知的障がい者更生施設の専用室に一緒に泊まって介護をする仕事です。当時で日中12000円、泊まりで18000円でした。

さらにホームヘルパー2級や3級資格を会社で取らせてくれて「手当」も出ることになりました。

これを大学の仲間に話しました。もうノリノリでみんな履歴書を持っていきました。サークル感覚で介護のアルバイトがはじまりました。

ここでいろいろなことを得ます。

これを知った一部の大学の教授が良く思っていませんでした。私が指導教授に嫌われたのもこのことがきっかけだったかもしれません。

しかし、若かったのもあり無鉄砲に進んでいきました。

友人は1ヶ月やって自動車免許を取りました。この友人はよく利用者様と食事に行きました。焼肉、中華、寿司、ステーキなどいろいろです。もちろんご家族に許可は得ていました。が、さすがに私たちも「お前、やりすぎだ!福祉学生だろ!利用者を食い物にすんな!」といっていました。しかし、サービス終了後に会社を通じて、利用者様のご家族からこの友人に連絡がありました。

「〇〇さん本当にありがとうございました。私は、ずっと●●(利用者様)に美味しいものを食べさせにいくのを躊躇していました。何かあったら周りに迷惑をかけてしまうでしょ。でも、今回の1ヶ月で●●が今まで行ったことのないお店や食べ物が食べられて本当に喜んでいます。それに私も●●を食事に連れていくことができるようになりました。」

といわれたそうです。私たちが固定観念に縛られていたのに気づきました。障がいがあるなら「らしくしたらいい」というものがあったのでしょう。仲間の型破りが本人と家族を変えたのでしょう。

ちなみのこの仲間は、あえて福祉職にならず民間で働き、株もやってお金持ちになりました。

何かお金儲けの話はタブーなのは、昔も今も変わっていない感じがします。

PSWも含めて福祉職はもっとハングリーにならないと、行政や事業者から「安くてもいいよね」とどんどんつけ込まれていきます。それじゃだめです。他人の幸福の犠牲になるのではなくて、自分も幸福にならなくちゃいい仕事はできませんよ。

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