栄養ってなんなんだ? 栄養士からのギモンとコタエ
こんにちは、おやさい料理研究所の所長で栄養士のたかはしかよこです。ほんとは、料理のことを書こうとnoteを書き始めるのですが、違うことを書いてしまいます。悩みが尽きません。
1. 栄養士の仕事から逃げた
高校から栄養学の勉強を始めてから今年で40年ちょいになります。栄養士として指導やカリキュラムづくり・本の執筆をしたキャリアは16年ありました。が、その仕事をしていた会社が倒産した時に「栄養士の仕事は続けたくない」と思ってIT業界に転職したのがちょうど20年前の1999年8月じゃありませんか。
そのへんの経緯を含めて動画にしていただいたのがこちら。
2. 栄養学は求められていないという現実
栄養学の勉強を始めてから、ずっとずっとずっと謎だったのが
①栄養学の正解はほとんどの人に求められていない
②栄養学どおりの食事をしても健康は実現できない
という2点でした。
私にとって栄養学は科学です。栄養摂取も消化も化学です。しかし、なんともまぁこれだけ情緒的に絡め取られるこの現実ってなんだろう?と何十年もボーゼンとして生きてきてきました。
一方で、一見科学的っぽく断片的な食の知識が「栄養」として語られるという現実です。
"●●がたくさん入っています、美肌にいいです、健康にいいです。"
いやさ、食べ物って身体にとっていいものばかりじゃなくて、そうじゃないものも同時に含まれてるという現実が無視されていることが多すぎる。
食べ物って栄養なんて持ち出さなくても「おいしいです!」で十分。で、だれにでもいい食品なんてないっていう但し書きは必要だと思うのです。
3. 栄養学は本来あなたのもの
人間という生き物である限りは何かを摂取し続けなくてはならず、その活動においてだれの身にも「バランスの良い食事(=栄養学)」という呪いの言葉がかけられているように感じています。
栄養があるんだから食べなさい、身体に良くないんだから食べてはいけない、そんな言葉が蔓延しているように感じます。
先日とある食がテーマの集まりのときに「栄養バランスの良い食事を」という言葉が何度か出てきましたが「じゃぁ、栄養バランスってなんですか?」と問うてみたところで答えはない。栄養バランスという一生見つからなさそうな青い鳥を探していいんだろうか?という気持ちになりました。
伝えたいのは「食の正解はあなたの外側にはない」ということです。
食の特に「栄養」というキーワードになると、なぜか「あなたは答えを知らないだろう?!」になりがち。かくいう私も長年栄養指導の中でそんなかかわりかたをしてきていました。
4. 知識はその人の内側をアウトプットするためにある
1999年の夏に手放した食の仕事をもう一度やってみようと決断したきっかけは、①求めらていない栄養学の答えがわかったから!でした。
ほんとうはだれにとっても、自分の外側の知識なんて興味は持てないということ。人が興味を持つのは自らの内側にある?をアウトプットできる知識。知識って、インプットするためのものじゃないというのがはっきりわかった時に「あ、栄養学を仕事したい」と思えるようになりました。
5. 健康は多面的である
何度か書いていますが、私は食事管理をしていても痩せられないし体調が悪いという時代がずっと続いていました。これが
②栄養学どおりの食事をしても健康は実現できない
の問題。現時点で判明してきた私の身体的不健康は
椎間板ヘルニア、花粉症、肥満、副腎疲労症候群(慢性疲労、リーキーガット症候群)でした。
まず、椎間板ヘルニアはこれは解剖学的な健康。ここは栄養学では解決しません。整体・ウォーキング・ボディワークを勉強しました。
そして、栄養でもどうにもならなかったのが、肥満と慢性疲労。これは、通常の病院の検査では検出されず、一時期は「うつ病」と診断されました。
昭和は「身体が健康であること」が人としての絶対条件で、障害があったり治療ができない病を持っている女子なぞは嫁にいけないとさえ言われた時代がありました。振り返ってみれば「健康なふりをしないと生きていけなかった」社会だったような気もします。
なんだ私ってずっとビョーキだった!ということに今更気がつて、表面的な健康に固執し、身体の不調や違和感を見ないふりして「健康そうに生きる」ほうが不健康だと感じるようになりました。
6. 課題や障害と向き合う心の健やかさ
最初に立ち戻って栄養ってなんだろう?
それぞれが感じている快・不快いずれにもちゃんと理由があって、栄養学はその理由をたどるためのお手伝いをすることが本来の役割だと思うようになりました。
だいじなのは知識ではない。率直にそれぞれが自身の身体と向き合って、自分だけの「心地よさ」をちゃんと手に入れるためのお座布団です。
そんなふうにお役に立ててもらえたら嬉しいなと思います。
7. ワークショップにいらっしゃいませ
栄養学が、身体がのびのび過ごすためのお座布団として活躍する体験型のワークショップが「日常の食事のちょうどいいを発見するワークショップ〜おやさい350サロン」です。ご参加お待ちしています。
気になる方もPeatixのグループをフォローしてくださいね。
わたしたちの「食べる」の向こうにいろんな世界がつながっています。
この#note は、 #週1note マガジンに参加して週に1度、たかはしの活動のサイドストーリーをお伝しています。第三期の月曜日更新もこれが最終ですって!
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