【プレサスインタビュー Vol.5】鹿嶋市・諸星千恵子さん
茨城県鹿嶋市で「懐カシ系居酒屋 ウツギ酔賓店 酒場」を営む諸星千恵子(もろぼし ちえこ)さん。鹿島神宮の参道・大町通りの1本隣、仲町通りにある、鹿嶋で一番賑わっているといっても過言ではない居酒屋「ウツギ酔賓店」を2022年2月から営んでいます。
諸星さんは鹿嶋市出身。ご結婚を機に生まれ育った鹿嶋から隣町・潮来市へ引越し、35年間潮来市に住んでいましたが、現在は鹿嶋市へ戻り、お店の裏にあるご実家で息子さんと共に生活を送っています。
鹿嶋で生まれ育ち、潮来に移住し35年
鹿嶋の仲町通り、当時鹿行地域で一番栄えていた商店街の洋品店に2姉妹の長女として生まれ育ち、生粋の鹿嶋っ子だった諸星さんは1987年、結婚を機に旦那様のご実家のある潮来市へ移住をしました。そして、旦那様のご実家の寝具工場をご夫婦で継ぎ、約35年間寝具工場の仕事をしていました。
「布団屋はすごい忙しかったのよ。葬儀場のご家族の宿泊用の布団も扱っていたから、それはもう24時間365日年中無休。朝早い時もあれば夜遅い時もあった。」と諸星さん。そんな多忙な生活を送っていた諸星さんでしたが、2021年1月、旦那様が亡くなってしまい、旦那様のご実家の寝具工場を畳むことになりました。
「旦那が亡くなって、工場を畳んだんだけど、その時に鹿嶋市のチャレンジショップ支援事業補助金制度があると知って、8年前に洋品店を畳んだ自分の実家をリノベーションして飲食店をやろうと思ったの。今までお世話になったおじいちゃん、おばあちゃんがわざわざスーパーやコンビニに買い物に行って寂しく食事をしているところを見てコミュニティが欲しいと思って。あとは、両親が共働きだったり、片親だったりで暖かい食事をほとんど食べたことがないような子供が多くてね。人が集まる場所が作りたかったし、おふくろの味に近いものを出したかった。美味しいものを作っていれば来てくれる人はいると思ったし、なんとかなると思ったのよ。でも、オープンのタイミングがコロナ禍で未経験の飲食店は大変だった。そんな時、地元の人だったり同級生だったり周りの人がすごい助けてくれて。。。特に同級生には本当にすごい助けてもらった。」と語る諸星さん。
ご自身に飲食店の経験があったわけではなく、ご自身の環境が変わり、「人が集まるコミュニティの場を作りたい」、との想いでチャレンジショップ制度を利用し飲食店の開業に挑戦、今では鹿嶋で一番賑わっていると言っても過言ではないほどに賑わう居酒屋の女将です。
こだわりの食材と地産地消
そんな諸星さんはお店で出す食材にとてもこだわっています。
「お野菜は基本的にお店の目の前にあるシルバー人材センターだったり、新拓農園さんだったり、地元のものを使うってこだわっていて、食材に冷凍は使わないし、既製品も使わない。お魚は週に2〜3回、ひたちなか市の那珂湊まで行って仕入れてきている。」と諸星さん。
仲町通りのお店の目の前にあるシルバー人材センターいきいきサロン・ひまわりで地域のおじいちゃん・おばあちゃんたちが販売しているお野菜や鹿嶋市内の農園・新拓農園さんのお野菜を始め、鹿っこファームさんや鉾田市内のサングリーン旭、JAなどから購入し、可能な限り地産地消をするようにしています。また、お酒も茨城のお酒を揃えるようにしています。
「お客様にまた行きたいなとか思ってもらったり、笑顔でご馳走様と言ってもらえるようには心がけているかな。お客様同士の会話の様子だったり、その人の生活や状況を汲み取りながら臨機応変に食事の提供をしたり、サービスしたりするようにしている。お店の営業をしつつも、人と人が繋がるコミュニティを作れるように目指していて。明るいところ、元気があるお店じゃないと絶対お客さんは来ないと思うから明るく、元気なお店を目指しているかな。」と話す諸星さんは慌ただしく厨房とフロアを行ったり来たりしながら、お客様同士の席の配置を配慮したり、ご自身が間に入ってお客様同士の仲を取り持つようなブリッジ役も見事にこなしています。
おばんざいランチをスタート
諸星さんのお店「ウツギ酔賓店」は鹿嶋市の中心市街地活性化基本計画区域内において営利を目的とした事業を新規に開始または既存事業を拡大する個人や法人に対し、補助金を交付するチャレンジショップ支援事業補助金を活用し、開業をしています。
「私はお店をオープンするのにチャレンジショップ制度を利用しているからみんなの税金からお金をもらってお店をやっている意識があって…。私がやっていることを見てやりたい!やろう!と思う人が増えたらいいなと思っている。」と諸星さん。
最近は鹿嶋の新鮮なお野菜を使って手間をかけずに仕上げるお総菜、おばんざいのランチを新たに始めるなど、新たなチャレンジも行なっています。
「私、本当はおばんざい屋さんやりたかったのよ。でも、コロナでカウンターの上にお皿を広げるおばんざいなんて絶対に無理で…。すぐ近くに手間をかけなくてもこんなに美味しいものがたくさんあるのにな〜と思っているし、今は木・金曜日だけだけどいずれは毎日やりたいと思っているのよ。」と語る諸星さんはおばんざいの本場、京都までおばんざい屋さんを視察に行くほどの勤勉家。おばんざいだけではなく、他にもこれからチャレンジしてみたいことがたくさんあるそうです。
今後のチャレンジとPlayfulな瞬間
「こども食堂、やってみたいのよね。孫が鍵っ子でそういう子供の学校帰りの居場所を作りたい。もしチャレンジショップ制度がもう一度使えるならこども食堂やりたいな。」と今後やってみたいことを語る諸星さん。
ご自身のお子さんが学生の頃にもそういった子供たちが安心して過ごせるようにご飯を作ってあげたりしていたそう。共働きの家庭が多いこの時代に子供たちが学校帰りに集まることのできる場所を作りたいと考えているようでうです。
「あとは、いずれ私たちもシルバーになるから、おばあちゃんたちが働ける場所を作りたいな。その年にならないとわからないこと、その年じゃないと出来ないこともきっと出てくると思うし、あばあちゃん、おじいちゃんの憩いの場に出来たらいいなと思ってるかな。」と話す。
「やっぱり街の中に明るいところ、元気があるところが欲しいしこれからも色々なことにチャレンジしていきたい。」と話す諸星さんにもPlayfulな瞬間を聞いてみました。
「私にとってはお客様が来てくれて、美味しい!楽しい!また来るね!って言ってくれる瞬間が一番Playfulな瞬間だね!バイトもみんな最初はお客さんだった人がこのお店でのバイトは楽しそう!って入ってくれたり、この間は妹がおっきくなったらおばちゃんのところで働きたいんだって、って小学校低学年くらいの子に言われちゃったから、夢を与えるためにもあと10年は頑張らないとね!飲食店も捨てたもんじゃないよ!」と嬉しそうに語る諸星さん。
現在は夜に営業している飲食店が少なく、夜になると真っ暗になってしまう仲町通り。諸星さんの明るさと元気でいつまでも仲町通りに灯りを照らし続けていって欲しいと思います。新たなチャレンジも応援します!
★ プレサスインタビューとは
私たちが大切にしている「Playful Sustainable」という言葉。
この言葉には「Playful」答えのない好きの追求、「Sustainable」自然や文化など長く続くものの力を借り、守り続けるという意味が込められています。
私たちがこの地域で活動していく中でカシマにも本業・趣味関係なく、好きなことをとことん追求し、継続的に活動をされている方々にお会いする機会が多く、そんな好きを追求するプレイフルな方々のプレイフルな瞬間にフォーカスし、深堀りしてみることにしました。
どんな活動をどんな想いでされているのか、今後どうなっていきたいのかを実際にインタビューをしてお話しをお伺いし、掲載をしています!
下記、まとめ記事より是非ご覧ください!!
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