脊椎圧迫骨折後の回復期における理学療法の工夫
脊椎圧迫骨折後の回復期における理学療法の工夫
中村 学
理学療法ジャーナルVol.56 No.12
2022.12 p1422-1428
【文献の要点】
・活動量を増加させるためにも、疼痛増悪のないように疼痛管理や動作指導が重要となる。
・骨折部、椎体に過度なストレスをかけないように、体幹前屈や回旋、側屈に注意した動作指導を行う。
・環境調整においても椎体への過度なストレスを防ぎ、各動作の特徴を考慮した上で、福祉用具などの導入、検討を行う。
【文献の基本構造】
積極的な離床、活動量を増加させるため医師や看護師などの病棟スタッフと連携し、骨折、疼痛の増悪がないよう動作指導や運動療法を進めていく必要がある。
離床の進め方や日常生活での動作指導、また、脊椎圧迫骨折の要因となる転倒の要因の評価などの工夫、さいごには、退院後の生活、環境調整に向けた工夫を解説している。
【動作指導・環境調整の工夫】
起居、起立・着座、座位リーチ、歩行、床上動作といった基本動作において工夫を説明している。各動作において、骨折部、椎体への過度なストレスを与えないように、体幹の前屈や回旋、側屈といった動き、過度な体幹伸展モーメントを起こさない工夫、最小限に抑える工夫が必要である。
図(写真)とQRコード(動画)と合わせて、各動作、環境調整における注意点や工夫点を確認することができる。
【まとめ】
回復期においては積極的な離床、活動量の増加から、退院後の生活、自宅での生活を想定した関りが必要となる。各動作の特徴や骨折部や椎体に過度なストレスがかかる動作を把握し指導できても、退院後の生活、自宅での生活で行えないと意味がない。
動作指導を行う上で、自宅の環境、退院後の対象者の生活をいかに想定できるかが、疼痛の増悪、再発予防には重要となると考える。
基本動作における注意点を理解し、様々な環境、ケースに合わせた工夫、動作指導にあたりたい。
記事:ながちゃん
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