中枢性めまいの病態と理解
中枢性めまいの病態と理解
城倉健
Journal of Physical Therapy Vol.39 No.6 2022.6P484-495
【アブストラクト】
水平方向の眼球偏倚/眼振と中枢性めまい
1)半規管前庭系 2)耳石器前庭系
垂直/回旋方向の眼球偏倚/眼振と中枢性めまい
1)半規管前庭系 2)耳石器前庭系
【構成】
前庭感覚、視覚、体性感覚などの感覚情報を脳で統合し、空間を把握している。感覚情報間のミスマッチにより異常感覚としてめまいが出現する。
しかし、視覚や体性感覚は「見えにくさ、しびれ」の主訴が多く、めまいは前庭感覚の異常に起因する事がほとんどである。中枢性めまいのほとんどは前庭感覚の中枢経路障害が原因である。この文献では中枢性めまいの病態(中枢前庭路の障害)について説明されている文献である。
【内容】
水平方向と垂直/回旋方向に分けて整理すると理解しやすい。
(水平方向)
半規管前庭系の前庭神経核を介する緩徐眼球運動系の水平成分は、末梢前庭器から同側前庭神経核に入り、交差して反対側の外転神経核に至る経路が担い、眼球を前庭神経核と反対側に偏倚させる作用を持つ。中枢障害障害では、脳幹病変により末梢前庭器から信号が入る前庭神経核が障害されれば、眼球は患側へ偏倚し、健側向き眼振が出現する。延髄外側梗塞の急性器に認められる。
耳石器前庭系の中枢神経経路は不明な部分が多い
(垂直/回旋方向)
半規管前庭系の前庭神経核を介する緩徐眼球運動系の垂直/回旋成分は、末梢前庭器から同側前庭神経核に入り、そこから交差して主として内側縦束を上行し、反対側の滑車神経や動眼神経核に至る経路が担い、眼球を前庭神経核と反対側向に回旋させる作用を持つ。末梢前庭器から延髄の前庭神経核までの病変では、眼球は患側に回旋偏倚して健側向き回旋せい眼振が生じる。橋や中脳病変では、眼球は健側に回旋偏倚して患側向き回旋性眼振が生じる。
耳石器前庭系の中枢前庭経路はほとんどわかっていない。
【面白かった点と感想】
神経経路の内容が書かれているため、苦手な方は理解するのに苦労する内容かもしれません。めげずに何回か読み返すと理解できる内容だと思います。
【結語】
苦手な方には少し読みにくい内容かもしれませんが、めまいの病態を理解することで特異的なリハビリへと繋がります。是非、読んでいてください。
記事:琢麻
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